竹原氏「市職員たちが勝った」 阿久根市長選落選
竹原流に「NO(ノー)」――。鹿児島県阿久根市の住民投票で解職された竹原信一前市長(51)の返り咲きはならなかった。16日投開票の出直し市長選。解職運動の中心人物だった養鶏会社経営の新顔西平良将氏(37)が、竹原氏との一騎打ちを制した。この2年半で3度目の市長選。市議会を無視して専決処分を繰り返した竹原氏の政治手法が争点になったが、市民は受け入れない判断を下した。
当選した西平氏陣営はこの日夕方から後援会スタッフが開票を待つ準備を始めた。市役所そばの選挙事務所には大型テレビが設置され、開票速報を書き込む紙が張られた。支持母体の「阿久根の将来を考える会」の川原慎一会長ら幹部たちは陣営のキャッチフレーズ「地を行く」と書かれた赤いジャンパーを羽織って開票作業を待った。
午後10時ごろには事務所前に当選を知った100人を超す支持者が集まった。歓声のなか、西平氏が軽トラックの荷台に上がり、万歳三唱。お祝いのタイを頭上に掲げ、くす玉も割られた。
西平氏は報道陣に「阿久根を作り直していかないといけない。その責任に大きなものを感じている。これからは独善的ではなく、法律を守り、そのうえで対立ではなく対話をしていく。それが支持を受けた理由なので、ぶれることなくやっていきたい」と抱負を語った。
落選した竹原氏は午後8時すぎ、自ら運転する車で支持者の待つ事務所に到着。報道陣の問いかけには答えず、無言のまま事務所に入ると、カーテンを閉めた。午後9時過ぎには、市長職務代理者の仙波敏郎氏も事務所に入った。
竹原氏は午後9時40分ごろから事務所内で支持者に選挙結果を報告。午後10時過ぎに報道陣の前に現れた。自身が公務員批判を繰り返してきたことを念頭に、「職員たちが勝ったということ。今回の選挙は竹原対職員組合だった。彼らの力が大きかった。職員組合と報道に負けた」と時折笑みを浮かべながら淡々と語った。
当選した西平氏について問われると「今回勝ったのは西平さんではない。市民を突き放すのはやめてくれ。本当の権力者は誰か」と話した。
市民からはこの日も、竹原氏への批判と支持の声が交錯した。
西平氏に投票した無職男性(72)は「定年退職後に阿久根に戻ったが、混乱したふるさとを見ると悲しい。議会を無視した専決処分は独裁だ。対話を強調する西平さんには阿久根再生の意気込みを感じる」と話した。
農業男性(82)も「あのやり方は民主主義ではない」と竹原氏を批判。「議員も相当の支持を得て当選している。議員を選んだ側の市民を無視している」と語った。
一方、竹原氏に投票した会社員男性(31)は「市議時代から自分の電話番号や名前を公開した上で家を一軒一軒回り、市民の声を聞こうとしてきた。専決処分も熟慮してのことだと思う」。竹原氏の公務員批判にも「官民差がありすぎる。議員や市職員の給料の引き下げをしてほしい」と理解を示した。
asahi.comより。
竹原信一がようやく地方政治の場から退場した。
「市職員が勝った」というのは、単に彼が敵視していたのが市職員の組合だったというだけのことであり、彼に投票しなかった市民たちの思いは別なところにあるはずである。
つまり、
今回の選挙結果は竹原信一の独裁的で独善的な政治手法が受け入れられなかっただけのことであり、
竹原自身による単なる「自爆」である。

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