小沢幹事長「政策一元化されるべきだ」 横路氏に反論
2009年10月13日10時46分
民主党の小沢一郎幹事長は12日、山梨県昭和町で記者会見し、鳩山政権が進める政策決定の政府への一元化を横路孝弘衆院議長が批判したことについて「政府が与党のものでないという意識に立つと、おかしいとなるが、旧来の考え方だ。議院内閣制では政府と与党は一体だ」と反論した。
小沢氏は「政府と国会が対立するのではなく、政府・与党と、野党の意見が対立する。大統領制とは違うので正確にご理解を」と説明。大統領制とは異なり、国会議員から行政のトップが選ばれる議院内閣制では、政策決定は政府に一元化されるべきだとの持論を展開した。
asahi.comより。
小沢一郎の論では、与党から行政のトップが選ばれるから、行政のトップたる与党議員が決めたことに与党の他のメンバーは従わざるを得ない(異を唱えてはいけない)ということになるが、明らかにおかしいだろう。
中国共産党が中国人民を支配する法的な正当性は、中国共産党が「人民を代表する」と憲法に書かれていることにあるそうだが、
中国共産党が中国人民を代表することを担保する制度はなく、他の党派には実質的な決定権がない。こうした状況下であればこそ、中国共産党による独裁は行われている。
小沢の議論はこの中国の体制と論理としてはほとんど同じではないか。
「与党の議員が行政府の長を務めるから、行政府の長は与党を代表する(一体である)。だから、行政府が支配(決定)することは正当である」と言っているに等しい。しかし、
行政府(およびその長)と与党とが一体であり、行政府の長が与党を代表(意見を集約)することを担保するものがあるか?また、「政策一元化」においては、政府外の国会議員に法を制定・決定する権限が実質的にはなくなるだろう。そうであれば、小沢の主張する
「政策一元化」の体制はごく少数の与党の首脳陣による独裁ではないのか?
表現などはもう少し推敲したいのだが、今は雑駁にしかかけない。ただ、現政権にもかなりの危うさがあることには警鐘を鳴らす必要があると思う。
※ここでの「独裁」とは「一個人、少数者または一党派が絶対的な政治権力を独占すること」を指すものとする。これはデモクラシーの手続きを踏んでも十分成立しうるものである点には留意されたい。

1