「サマータイムは健康に悪影響」 睡眠学会が声明
2008年06月05日18時10分
温暖化対策として導入論議が進むサマータイム(夏時間)制度について、不眠症治療に取り組む医師らでつくる日本睡眠学会は5日、健康に悪影響を与える可能性があるなどとして導入に反対する声明を発表した。医療需要の増加などで逆にエネルギー消費が増える可能性も指摘する。
学会によると、制度を導入した欧米では健康被害が多数報告されており、夏時間への変更後、数日から2週間程度は睡眠時間が減少。日本人は欧米より平均睡眠時間が約1時間短いため影響は大きく、暑さが収まらない時間に床に就けば、寝付けずに不眠を誘発する可能性もあるという。
睡眠障害による医療費増加や作業能率の低下などによる国内の経済損失は年3.5兆円にのぼるとの試算があるという。サマータイム導入で睡眠障害になる人が増えれば、経済損失はさらに年1.2兆円増えると見積もっている。
なかなか興味深い記事なので紹介しておく。(asahi.com)
サマータイムに対する私の考えは、
3年近く前の記事でも触れたが、サマータイムを導入する社会的な意味は、
労働強化(サービス残業を増やすこと)にある、というものだ。
つまり、1日の行動の3分の1以上を占める「労働」という観点から見る限り、
サマータイムはホワイトカラーエグゼンプションと同じようなものである。
ホワイトカラーエグゼンプションに反対の人はサマータイムにも反対すべきであろう。
【追記】2008.6.18
次の森本卓郎の記事を見つけた。まったく同意見である。
◆
サマータイムの導入はサラリーマンを苦しめるだけ
この文章のうち、ヨーロッパと日本の労働のスタイルの違いについての指摘は私がしていなかったことであり、大変興味深かったところである。
欧米の仕事の特徴は、職務分担がはっきりしている点にある。……(中略)……。こうした自己完結型の仕事をするのが欧米型である。労働時間も明確だから、業務開始時間を早めれば、その分早く帰ることができるわけだ。ところが、日本の場合は個人で業務が完結していることが少ない。……(中略)……その結果、日本のサラリーマンの間に一つのライフスタイルが生まれた。それは、会社にいるのが大好きで、家になかなか帰りたがらない人間が増えたことである。
こうした働き方がなされているところでサマータイムが導入されると残業、それもサービス残業が増えるだけだというのである。繰り返しになるが、同意見である。

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