量子暗号が長距離対応したそうです。
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三菱とNECが「量子暗号」で共同実験,長距離対応に道筋
光子、というか小さいツブツブたちは、途中経過を観測されて中間状態を明らかにされてしまうと、全体としての応答が予想したものとぜんぜん異なる、という観測問題をもっています。
上下スピンが混じった状態の普通の電子をたくさん集めて電子ビームを磁場中へ放り込んだ場合、磁場を潜り抜けると、電子スピンの+-により、上か下かにわかれます。スピン量子数+1/2をもった電子の場合を「上に集まる」と決めます。
このとき、上スピンだけを持った状態(スピン偏極)の電子だけをあつめた電子ビームをとらえ、そしてそれを別の磁場中に入射させたつもりでも、「上スピンだけ」ということが判明してしまった以上、なぜか出てくるときには偏光状態がない、という不思議なことがおきています。
中間状態を知ってはいけないのです。系の最終的な応答に大きな影響を与えてしまうから。
なんか不思議なこの実験は、Stern-Gerlachの実験(銀原子の最外殻電子のスピンを見る実験だったそうな)と呼ばれています。
量子力学は、このへんなのを考えるところからはじめていきます。

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