2004年8月の写真。京成電車の国府台駅で撮影した。江戸川の向こうは東京である。2年ほど前に、東京のジャズ・スポットを紹介するムックのような書籍が出た。そこには狛江や小岩あたりのギリギリで東京都内に入る店はとりあげられているのに、江戸川を渡った先の市川のジャズ・スポットはまったくの対象外であった。川一本先のことは知らないよ、市川は千葉県だからカンケイない、というある意味では潔い編集方針のようだった。松戸の給水塔ですか、柴又や小岩のあたりから見えるらしいけど、東京のモノじゃないですからねえ、興味ありません、などといってあっさりと切り捨ててしまうことができるヒトがうらやましい。アタシは美麗物件があると聞けば、たとえそこが戦闘地域であるイラクのサマワであろうとも、カメラを持って馳せ参じたいと熱望してしまうのだ。他人が引いた境界線の内側にとじこもっていると息が詰まる。はてしなく越境しつづけたいと願っている。