2007/12/28

(その土地のナンバープレートを撮るといった変な趣味も持っているのだ。)
ようやくミナスジェライス州パラカトゥに着いた。
なんにもない高原地帯だ。国道を逸れ、赤土の大地をひた走る。
どこまでも続く人より大きな蟻塚。何度見ても神秘的な風景だ。
ここにこれる人生の環境に感謝しなければならない。
俺は見た目はボロだが最高の贅沢者にちがいない。
これを見て日本村社会からの人生観が変わらずにおれるはずがない。
あるのは大地と蟻塚と大気だけなのだ。
あの別荘とも呼べない「温かき家」に帰る前に(わからない人はもう一度魑魅魍魎編を読み返してみてネ☆)ベスカドールのおじさんに会いにいくことに。
そう、あの俺に長い手巻きのペスカドールたばこ(漁師たばこ)をくれた紳士なるペスカドール。
ウィルソンおじさんだ。
家の前まで来ると、黒い肌の奥さんが鶏をさばいていた。
ウィルソンおじさんは白人系だがブラジルでは肌の色は関係ない。
ブラジルは人種というものの先入観を吹き飛ばしてくれるということについてこれほど適した国はない。
人種差別の事で迷ったらアメリカとブラジルに行くのがよい。
世界の両極端が見えるだろう。
「おばさーん。こんちわ。お元気?」

「ウィルソンおじさん久し振り!」
「おお、戻ってきたか、ジャポネースペスカドール。戻ってくると思ってたぜ。」
「あとでいいもの見せてやろう。」
カフェを飲み、おじさんはアロンさんと漁師とは何たるか
という人生の哲学に関して熱く語りだした。
深いところまでは俺の語学力ではわからなかったが、
人生を河と魚にかけてきた男のいいたいことはなんとなくわかるような気がした。

「テル。ちょっと裏に来い。」
おもむろにおじさんは氷詰めの発泡ケースから大きな魚を取り出した。
うわっ!!ドラードっ!!

おじさんがこの獲物を見つめる渋い目を見ろ。
これがすべてを物語る。
多分、日本初公開画像じゃないか?
成体のサンフランシスコ・ドラード画像。
日本中のドラードマニアよ心して見よ!
超レア!
ドラード・ブラジリエンシス!
この体色、シャープなる頭の形の違いがわかるか?
パンタナルのドラードより顔や頭が小さくよりシャープなのだ。

絶対、ゼッタイ釣ってやる・・。
投稿者:TERU