2021/10/18

5709:セッティング  

 ガルネリ・メメントの箱は三つに分かれている。その一つには専用スタンドのベースとなる大理石が二つ梱包されている。

 大理石なので、とても重い。「イタリアン・マーブル」と呼ばれる大理石は独特の淡い色合いと渋い柄がヨーロッパの歴史を感じさせる。その大理石のベースを慎重に取り出した。

 二人は滑り止めの付いた軍手を使っているので、しっかりと掴むことができる。この大理石のベースは、ガルネリ・オマージュからの伝統であったが、ガルネリ・エボリューションからは花崗岩に変更された。

 その次に専用スタンドの支柱が2本入った箱から、支柱を取り出した。ストリングカーテンが周囲を覆っている。この意匠はソナスファベールのアイコンにもなっている。そのストリングカーテンが伸びたりしないように注意しながら、取り出した。

 専用スタンドの支柱とベースは三つのネジで固定される。六角レンチが付属しているので、それを使って支柱とベースを固定させた。

 その2本の専用スタンドは、以前から所有しているアピトン材を使用したオーディオボードの上に設置された。後は、この専用スタンドの上にスピーカー本体を設置すれば組み上げ完成である。

 スピーカー本体が入っている箱から、保護袋に入ったスピーカーを取り出した。そして柔らかい布製の保護袋を慎重に取り外した。

 ヴァイオリン用のニスを幾重にも重ね塗りされた艶やかな色合いのスピーカーが現れた。レッドバイオリン仕上げの色合いは明るい。木目も鮮やかである。

 そのスピーカー本体を専用スタンドに乗せて、微妙な位置調整をしながら2本の専用ネジで固定していく。

 2本のガルネリ・メメントは組み上がった。背は高くすらっとしてる。仰角が少し付けられたその立ち姿はやはり素晴らしい。

 「綺麗ですね・・・まさにミントコンディション・・・我が家のガルネリ・メメントも綺麗だけど、それを上回る感がありますね・・・」FMさんは目を細めるようにしていた。

 続いてセッティングである。とりあえず「カルダスセッティング」に従って位置決めをした。後方のコーナーにはTANNOY GRFがあるので、後方の壁からは離したかった。

 後方の壁からは約1.5メートル。側面の壁からは約0.9メートル離した。以前、TANNOY GRFのモニターシルバーをメンテナンスに出した時にPSDの大山さんからT4をお借りした時のセッティングと同じである。

 オーディオボードごと床を滑らせるようにして位置を合わせた。そしてMarantz Model2から伸びているテレフンケン製の細いスピーカーケーブルが、TANNOY GRFからガルネリ・メメントの背面にあるスピーカーターミナルに繋ぎ変えられた。

 リスニングポイントには北欧ヴィンテージのイージーチェアが二つセットされている。そこに二人で座って改めて眺めた。

 狭いリスニングルームでのカルダスセッティングは当然の結果として、ニアフィールドリスニングとなる。

 美術工芸品的な美しさを湛えたガルネリ・メメントは部屋の空気を一変させた。神々しさをも感じさせるその姿は中世ヨーロッパの騎士のようであった。




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ