2021/10/16

5707:ソナスファベール  

 ソナスファベールというとどうしても弦楽器というイメージが強い。創設者であるフランコ・セルブリンがソナス・ファベールをイタリア北部のヴェネト州ヴィチェンツァで興したのは1983年のことである。

 ヴィチェンツァは「陸のヴェネツィア」と呼ばれているような風光明媚な地である。西に100qほど行くとバイオリンをはじめとした弦楽器製造で有名なクレモナがある。

 ソナス・ファベールを一躍有名にしたのは1988年に発売したエレクタ・アマトールである。フランコ・セルブリンが幾多の試行錯誤のうえにブラジリアンローズウッドという高級木材の無垢材を張り合わせて響きをコントロールし、バッフル面には本革を貼り反射を抑えるという手法を編み出して生まれたスピーカーであった。

 そのエレクタ・アマトールは仕上がりの美しさと響きの豊かさが評判を呼んだ。日本でもいち早く人気となり、相当数売れたようである。

 その後、1993年には、ソナスファベールにとって記念碑的な作品となったガルネリ・オマージュを開発し、販売する。

 ヴィチェンツァはクレモナから近いこともあって、フランコ・セルブリンはクレモナの楽器職人と親交があったようである。ガルネリ・オマージュの開発のために、彼等からバイオリンの製造技術の手法を徹底的に学び、それを活かして見事なスピーカーを仕上げた。

 リュートのような洋梨型の形状をしたエンクロージャーはウォルナット、メイプル、ライムウッドなどで構成され、バイオリン職人が使ったニカワと熱圧着技術により接着され組み立てられている。

 表面に塗られたニスもバイオリン製造と同様のものが使われた。そしてその後ソナスファベールのアイコンにもなったスピーカーバッフル面とスタンド表面に張られたゴム系素材のストリングネットが初めて採用された。

 その姿は「美しい。ただ見ているだけでもいい・・・」といった印象を見る者に与える。スピーカーでありながら、美術工芸品の域にまで達した作品であった。

 そういう歴史を有するメーカーであるので、ソナスファベールのスピーカーを聴くなら弦楽器の曲を聴きたいという思いがまず浮かぶ。

 ガルネリ・オマージュに始まった「オマージュ・シリーズ」は、その後アマティ・オマージュ、ストラディバリ・オマージュと続いていく。

 そして「ガルネリ・オマージュ」自体もその後シリーズ化され「ガルネリ・メメント」「ガルネリ・エボリューション」「ガルネリ・トラディション」とその系譜が現在まで続いている。

 エレクタ・アマトールは「オーディオショップ・グレン」の常設スピーカーであるので、今まで何度も聴いている。

 「ガルネリ・オマージュ」の系譜に繋がる「ガルネリ・メメント」はFMさんのリスニングルームで聴いた。

 そのいずれもが、やはり「弦楽器が素晴らしい・・・」という印象であった。私はクラシックオンリーでかつ弦楽器の音に傾倒しているので、その印象はいずれもとても良いものであった。

 ガルネリ・メメントをお使いのFMさんから連絡が入ったのは先月のことであった。「出ましたよガルネリ・メメントが・・・ミントコンディションです・・・私が持っているものと同等かそれ以上にコンディションが良いようです・・・」と、FMさんは若干興奮気味であった。




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