2021/7/24

5623:無音  

 先月、ハンコックさんのお宅でのOFF会で、Wilson AudioのWATTとPUPPYを分離してそれぞれ別々のパワーアンプで駆動した際、最も印象の良かったバランスにおいて、試しにPUPPYだけを鳴らしてみた。

 すると全く音は聴こえなかった。ユニットに耳を近づけてみても「無音」であった。しかし、WATTと一緒に鳴らすとその影響ははっきりと感じられた。

 今日の午後、GRFさんのリスニングルームでも同様な体験をした。PSDの特注サプウーファーは、ハンコックさんのお宅のPUPPY同様SD05で駆動されているが、それ単体で鳴らしてみても全く音が聴こえない。

 しかし、 German PhysiksのトロバドールとPSDのサブウーファーにより非常に複雑に組み合わされたスピーカーシステム全体で聴くと、後方に設置されたサブウーファーは、何かしら「魔法の粉」のようなものをスピーカーシステム全体の音に振りかけるのである。

クリックすると元のサイズで表示します

 広大な広さを有するGRFさんのリスニングリスルームのリスニングポイントに置かれた3人掛けソファに腰掛けた時に視界に収まる風景は、前回お邪魔した時と大きく変わっていた。

 前回はPSDのサブウーファーの上にトロバドール80が乗ったスピーカーシステムが1ペアあるというノーマルでシンプルなシステムであったが、その後メインスピーカーから見て斜め後方のコーナーに置かれているTANNOY GRFの上にトロバドール40が1ベア追加された。

 これによりもともと広大なエアボリュームを活かした広々とした後方展開音場が後方にいくに従ってせり上がっていくような空間表現になり、より響きが豊かで空間の高さが出るようになった。

 そして、メインスピーカーの後方には、ユニットの口径が一回り大きくなり、それに従ってサイズアップされたPSDのサプウーファーが1ベア加わった。

 この1ペアの新たなサブウーファーがもたらす「魔法の粉」により、サウンドはよりリアルな方向に推し進められ、実際のコンサートホールの音の質感にぐっと近づいていく。

 この「ホップ」「ステップ」「ジャンプ」といった三段活用のような進化の過程をマーラーの交響曲第4番の第2楽章を、セッティングをその進化の過程に合わせて変更していって3回聴くことにより、確認した。

クリックすると元のサイズで表示します

 この複雑に進化したスピーカーシステム。さすがのGRFさんも調整には数ケ月の時間を要したようである。

 進化の過程での「ジャンプ」にあたる新たなサブウーファーは、それ単体で聴く限り人間の耳には「無音」でしかない。

 しかし、無音である超低域エリアには、何かが潜んでいるようである。その何かは、音の基盤となる大切な情報なのであろうか・・・

 その「何か」は、スピーカーシステム全体の位相が合っていることや、メインシステムとのバランスがしっかりと取れていることなど幾つかの条件が揃うと、目に見えない「魔法の粉」を噴出して、システム全体の音に「魔法」をかけるようである。

 「リアルなコンサートホールの音をリスニングルームに再現する」というテーマを追求し続けてきたGRFさんにとって、このスピーカーシステムの進化の過程は、必然的なものであったのかもしれない。

 この第3世代進化系システムが完成したのが今年の初めの頃であった。しかし、「至福の時間」は実はそれほど長くは続かなかった。

 その後アナログオーディオの分野において、全く革新的な技術との邂逅がもたらされた結果、新たなそして大きな変革が、この広大な広さのリスニングルームにもたらされたのである。




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ