2021/6/23

5592:ジェントル  

 「軽い」という形容詞はどちらかというと否定的に使われることが多い。しかし、「軽やか」という形容詞になると、これは肯定的に使われることが多い。

 Audi A3の試乗車に乗り込んで、エンジンを始動させて走り出した際の印象は「軽やか」そのものという感じであった。

 1.0Lの3気筒エンジンのサウンドについて「3気筒だからがさがさした乾いた質感の音質だろうな・・・」と想像していたが、新型A3は相当遮音に気を使っているようで、エンジン音そのものがあまり耳につかない。

 Audi立川の駐車場を出て、芋窪街道を北に向かって走った。「軽やかで静かですね・・・」助手席の営業マンにそう話しかけた。

 室内の設えもAudiらしくクールですっきりとした質感でまとめられている。10.25インチサイズのフル液晶メーター「アウディバーチャルコックピット」はとても見やすい。

 センターコンソールに組み込まれたタッチ式ディスプレイは10.1インチサイズで大きく解像度も高い。

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 コンパクトなリチウムイオン電池を積み、ベルト駆動のジェネレータースターターが必要に応じてアシストを行う効果は、アイドリングストップ時に感じられる。

 エンジンのオンオフはタコメーターを見ていなければわからないほどに滑らかである。アイドリングストップは、車が停まる前に作動していて、停車した時にはすでにエンジンの回転数は0rpmで、ジェネレータースターターによる再始動もそれと体感することなく行われる。

 再始動時のあの「ブルル・・・」という振動や音がないのがとても新鮮である。「これは気持ちいいな・・・」と思った。

 随分とコンパクトになったエンジンはさすがに余裕はない。しかし、街中をジェントルに走る分には必要にして十分と言えるであろう。

 スポーティーな加速感や高揚感とは無縁のエンジンである。そういった質感を求めるには2.OLのエンジンを搭載する上級車を購入する必要がある。

 この車は、子供たちが大きくなり大人数で乗車する必要性のない年代になった方が、「もうミニバンには乗りたくない・・・」と購入するのに最適なのかもしれない。

 そういった年代になると運転も比較的穏やかになるものである。(もちろん例外は少なからずあるとは思われるが・・・)

 街中の試乗コースの中には、最近整備された産業道路も含まれていた。その道路は広く交通量が少ない。そこでアクセルをべた踏みしてみた。

 エンジン音が高まる。しかし、それに応じて車速が一気に高まることはなかった。じわじわとややタイムラグを感じさせながらスピードがのってくる。

 「さすがに1.0Lでは苦しそうですね・・・」私は助手席に乗っている営業マンと話した。「スポーティーな感覚を求められる方はS3しかないですね・・・」との返答であった。

 新型A3 SEDAN 1stエディションは、乗り込んでエンジンをかけた瞬間から“いいもの感”がじんわりと感じられた。

 Audiはプレミアムブランドである。クールで上質な質感をとても大事にしている。そのブランドイメージは、この新型A3にも随所に感じられた。

 エンジンが1.0Lの3気筒ということで、「大丈夫なの・・・」と心配したが、静寂性、走行感覚、運転感覚においては、そんな心配を一蹴する高いクオリティー感があった。

 エンジンは確かに余裕があるものではないが、マイルドハイブリッドの効果もあり思っていた以上に上質な質感を感じた。A3 SEDANは「ジェントルマンたる大人の車」という印象であった。




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