2021/6/19

5589:本川越  

 「このスピーカー、最初は『Boogie』という商品名だったのですが、そのうち『BL20』という名称に変更されました。さらに2012年にはマイナーチェンジされて『BL25』になりました。残念ながらその後Lindemannはハイエンドオーディオから撤退し、スピーカーの生産も終了しました。」

 出された珈琲を飲みながら、3人はオーディオ談議をしばし続けていた。LindemannさんはEnsembleさんの職場の先輩にあたり、二人は長い付き合いのようであった。

 「『Boogie』から『BL20』ですか・・・いきなりな感じですね・・・180度違う響きです・・・しかし、このスピーカーの外観からすると『BL20』という硬い感じの名称の方が合っているような気もしますが・・・」

 私がそう言うと、Lindemannさんは「確かにそうですね・・・この外観と『Boogie』という商品名は確かにちょっとずれているというかそぐわない感じがありますよね・・・でも、音は結構ノリが良いんです・・・もっとそっけない音がするのかと、最初は思っていたんですが、そのギャップが第一印象としては大きなものでした・・・」と言われた。

 Lindemannさんのオーディオシステムは比較的シンプルな構成である。CDプレーヤは、ORPHEUSのCDトランスポートとDAコンバーターの純正組み合わせ、そしてアンプはセパレートではなくEnsembleのFuocoというあまり知られていないプリメインアンプである。

 それらのオーディオ機器は、solid steel製の3段ラックに納められている。Lindemannの「Boogie」もスリムで比較的コンパクトなスピーカーであるので、全体としてすっきりと収まっていて、リスニングルームの中にいても「オーディオ臭」があまりしない。

 オーディオマニアの中にはオーディ機器に対する愛着が強すぎて、部屋を数多くのオーディ機器が所狭しと占拠しているケースもあるが、Lindemannさんのリスニングルームは何もない空間が十分に確保されていて、圧迫感は全くない。
 
 リスニングルームの広さは8畳ほどである。オーディオ専用の部屋であり、それ以外のものが置かれていないので、狭いとは感じなかった。

 3脚置かれている椅子はイージーチェアというよりもダイニングチェアに近い形態のものである。木のぬくもりが感じられるもので、質感がとても良かった。メーカー名を確認すると「飛騨産業株式会社」という小さなシールが貼られていた。

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 3脚の椅子の前には横長のテーブルが置かれ、その上に置かれた珈琲からは良い香りが立ち上っていた。

 Lindemannさんのご自宅の最寄り駅は西武新宿線の「本川越」である。駅から徒歩で10分ほどの位置にあり、利便性の高いエリアである。

 Ensembleさんは、西武新宿線の「新井薬師前」が最寄り駅であり、私も西武新宿線の「東村山」が近い。Ensembleさんとは東村山駅のホームで待ち合わせて、終着駅である「本川越」に向かった。

 その電車の中で「Lindemannさんは私よりも5歳年上だから、いま63歳かな・・・一昨年奥様が亡くなってね・・・癌だったんだけど・・・それからしばらく相当落ち込んでいたみたい・・・最近少し元気なってね・・・」とEnsembleさんは話されていた。

 リスニングルームの壁には絵が幾つかかけられていた。どれも上品な感じのする水彩画であった。

 「亡くなった奥さんの趣味が絵で、リスニングルームに幾つかかけられている絵も奥さんが画いたものなんだ・・・」Ensembleさんが電車内で話されていた言葉が思い浮かんだ。

 終着駅である「本川越」が次の駅になった時「じゃあ、一人暮らしなんですか・・・?」と私が訊くと、Ensembleさんは「二人子供がいるけど、結婚して独立したから、一人なんだろうね・・・時々娘さんが来ているみたいだけど・・・」と返答された。




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