2021/4/21

5529:狸  

 奥多摩湖を眺めながら焼き芋を食し、まったりとした休息時間をすごした後、奥多摩湖第2駐車場へ向けてゆっくりと走り出した。

 第2駐車場は広く、公衆トイレもある。ここでトイレを済ませてからいよいよ風張峠を目指すことになった。

 第2駐車場は満車状態であった。ここには第3日曜日に「旧車マニア」が集まり、自慢の車を見せ合っている。

 「旧車」は1960年代、1970年代の日本製の古い車である。確かにこの時代の車には、懐かしい「夢」が濃厚に詰まっているような気がする。

 風張峠がある奥多摩周遊道路に向けて6両編成のトレインは順調に進んだ。奥多摩湖は縦に長い形状をしている。その貯水湖の縁に沿いながら続く道は景色が素晴らしい。

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 我々の隊列を2台の「ケンメリ」が通り過ぎていった。「ケンメリ」は、1972年に発売された4代目スカイラインである。

 テレビCMなどで「ケンとメリーのスカイライン」のキャッチコピーが使われたため「ケンメリ」と呼ばれて、一世を風靡した。

 いくつかの色とりどりの橋を渡っていくと、奥多摩周遊道路のスタート地点に達した。ここから風張峠の頂上までは13kmほど。ここから一気に負荷を上げることはなく、4q程上り基調の道を進んで、「山のふるさと村」へ向かう道との分岐点のT字路交差点を通り過ぎてから負荷を上げることが多い。

 分岐の交差点の信号機は赤であった。一旦止まって青になってからリスタートした。ここから負荷を上げた。「平均パワーは220ワット程で・・・」と思っていた。

 風張峠のヒルクライムコースは、距離が9kmほどで斜度もしっかりとしている。ここまですでに50kmほどの距離を走ってきているので脚の疲労度も高めである。

 「序盤から無理をすると後半で辛い目にあうから・・・無理をしないように・・・」と思いながら、230ワットの平均パワーで前半の上りを走っていった。

 「前半5kmまでは230ワット平均で走ろう・・・後半は疲れからパワーが落ちるし、月夜見第1駐車場を過ぎると平坦や下りも混ざるようになり、パワーの数値が下がるので、結果として平均で220ワットぐらいになるであろう・・・」との予測であった。

 風張峠のヒルクライムコースは道幅が広く、舗装も綺麗に整備されている。そういう点では走りやすいのであるが、斜度の変化もまた景色の変化も少ない。ある意味単調なコースである。

 斜度は7〜8%が延々と続く。230ワットの平均パワーで前半を走っていった。前半はほぼ予定通りであった。

 異変が出始めたのは、5kmを過ぎたあたりであった。右脚の太腿に痛みの塊が出始めた。「まずいな・・・太腿の筋肉が攣りそうだ・・・」と思った。それは明らかに脚の筋肉が攣る前兆の痛みであった。

 「ここで攣ったら大変だ・・・まだ4km以上上らないといけない・・・」痛みが出始めると一気に弱気になる。パワーはじりじりと下がり始めた。

 200ワット切ったり切らなかったりといった負荷まで下げてさらに2kmほど走っていくと、痛みが出始めた右脚をかばったためか、今度は左脚の太腿に同様の痛みが出始めてしまった。

 「まずい・・・両脚が同時に攣ったら、走行不能になる・・・」と冷や汗が流れ始めた。疲労と両脚の太腿の痛みでパワーは200ワットを下回る低い数値で推移するようになった

 まだゴールである風張峠の頂上までは2km以上あった。「平均パワー220ワットで走り切ろう・・・」という思惑は、風張峠の厳しさの前に「取らぬ狸のなんとか・・・」にドロンと化けてしまった。




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