2021/1/18

5433:フランコ・セルブリン  

 「Electa Amator」と言えば、その後継機種に当たる「Electa Amator V」が2019年3月に日本でも発売された。

 取り扱いはもちろんノアである。「Electa Amator V」は、ソナス・ファベール社の設立35周年を記念して、開発・発売された記念モデルである。「Electa Amator V」の価格はペアで130万円。専用スタンドが付属する。

 その「Electa Amator V」は、発売以来非常に人気が高く、このような時代でも販売が好調なようである。

 初代の「Electa Amator」も、発売されると非常に評判になり、日本で相当数が売れたようである。時代はバブル経済に沸いていた時代である。今よりもオーディオ市場もはるかに活気があったであろう。

 オリジナル、しかも初期型の「Electa Amator」を聴かせていただいた。まずはCDから・・・「前座ね・・・前座・・・」と前置きしながら、小暮さんは1枚のCDを選択した。

 やはり、ソナス・ファベールと言えばヴァイオリンである。五嶋みどりの「アンコール」が選択された。その1曲目と2曲目を聴いた。

 クライスラー「前奏曲とアレグロ」、サラサーテ「ハバネラ」と聴いて、実に感心した。なぜかしら調布市のイタリアンレストラン「ラ・マンチーナ (La Mancina)」の魚料理が思い起こされた。

 何かしら、才能あふれる、すっと枠を飛び越えた感のある音の質感である。平易な言葉で表せば、「明るく、開放的」ということになるのであろうが、その裏側には実に深みのある旨味成分が沈殿している感じであった。

 さらにもう一枚CDが選ばれた。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲であった。ソリストはルノー・カピュソン。

 「これはカピュソンのヴァイオリンの質感との相性が抜群・・・」と選曲の妙に唸った。第1楽章を聴いた。時間にして20分ほど。

 「なんだか・・・気持ちいいですね・・・まさに人生を楽しむスピーカーという感じですね・・・やはりイタリア人が作ったスピーカーですね・・・」私の率直な意見であった。

 続いて、アナログタイムへ移行した。「さらに良くなりますよ・・・」と前置きして、小暮さんが選んだのは、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲3番であった。

 ソリストはポール・マカノヴィツキー。協演はカール・リステンパルト指揮ザール室内管弦楽団である。

 モノラル盤である。神田神保町の銘盤屋さんなら、福沢諭吉が4,5人必要な貴重盤である。「良い選曲だな・・・」と、感心しながら、聴いた。

 古い録音なので音質は良くないが、素晴らしい演奏である。「音質なんて二の次だよな・・・」とオーディオマニア的にはどうなのかと思えるような気持に浸る。

 A面を通して聴いた。「充足感が半端ない・・・」という感じで、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲3番をすべて聴いた。

 最後に選択された1枚はブラームスのヴァイオリン協奏曲であった。ミシェル・オークレールのヴァイオリンである。オッテルロー指揮のウィーン管弦楽団との協演である。

 これもモノラルである。コンディションが良ければ、銘盤屋さんでは福沢諭吉が10人は必要な貴重盤である。

 「これは、全部聴きましょう・・・全部・・・A面もB面も・・・」という私のリクエストで全て聴かせてもらった。

  CDを聴くと、その音質の良さに精神が覚醒する。アナログを聴くと、音楽に引きこまれ夢見心地になる。 Electa Amatorは、その姿と言い、音と言い、実に良いスピーカーであった。

 故フランコ・セルブリンは才能あふれるスピーカー設計者であっただけでなく、芸術の良き理解者でもあったのであろう。Electa Amatorは「技術屋」の作った測定重視のスピーカーとは根本的に違う芸術性の高いスピーカーであった。




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