2021/1/10

5424:オマージュ  

 「CP抜群」という誉め言葉を献上したサブシステムに比べて、メインシステムはある意味正反対の構成であった。

 メインシステムにはCPという概念はなく、「『モア』を鳴らしきるためにはいくところまでいくぞ・・・!」的なSさんの気合が強烈に感じられた。

 メインシステムは「超弩級」という評価がふさわしいシステム構成で、見るものを圧倒する。まず怪鳥「モア」を直接駆動するパワーアンプは、CLASSE OMEGA MONOである。

 私がオーディオに嵌るきっかけとなったダイナミックオーディオ アクセサリーセンター(かって秋葉原の高架下に店舗があった)の島田さんが絶賛していたパワーアンプである。

 その躯体は巨大である。1台の重量は50kgはあるであろう。2台で100kg・・・これくらいでないと怪鳥「モア」を飼いならすことはできないのかもしれない。

 プリンアンプは初めて見るものであった。「G RIDE AUDIO」製のものでカスタムメイドである。電源部が別躯体になっていて、こちらもしっかり感が半端ない。やや武骨な表情からは「良い仕事しまっせい・・・」的な自信が満ち溢れていた。

 そして送り出しが圧巻であった。縦長のオーディオラックにはDCS VIVALDIのフルラインナップが収まっていた。VIVALDI TRANSPORT、VIVALDI DAC、VIVALDI CLOCK、VIVALDI UPSAMPLERとシルバーの4躯体が縦に綺麗に並んでいる様は、やはり壮観である。

 さらに、そのラックの最上段、VIVALDI TRANSPORTのすぐ上には、ESOTERICのP-Oの厳めしい姿があった。

 私はP-0を見ると、どういうわけか反射的に「ダース・ベイダー」を思い起こしてしまう。どこかしら似ているのであろうか・・・

 実はSさんはCDに関しては「P-0」をトランスポートとして使い、SACDのみVIVALDI TRANSPORTを使うという何とも豪華というか、贅沢というべきか・・・あるいはコスト度外視というべきか・・・「超弩級」構成となっている。

 それを目にして、「『モア』のためにはとことんやる・・・MORE AND MOREだ・・・!」といったSさんの決意を感じた。

 後半はこのメインシステムを聴かせていただいた。怪鳥「モア」は見るのも聴くのも初めてである。

 「P-0」をスタートラインとして構成されたメインシステムでは、怪鳥「モア」が、三つの首を持つ「キングギドラ」に変身したかのような大迫力であった。

 特にライン録音系の高音質ソフトとの相性は抜群である。ギターの切れのある発色、エレクトリックベースのごりっとした量感、パーカッションの跳ね返るような瞬発力など、「ゴジラ」をも吹き飛ばすような威力を感じた。
 
 「VIVALDI TRANSPORT」をスタートラインに切り替えると、怪鳥「モア」は、「ラドン」になる。三つの首は持っていない。破壊力は「キングギドラ」の方があるかもしれないが、現実的な適応力はアップする。

 この純正VIVALDIラインであれば、クラシックも十分にその守備範囲に加えることができる感じであった。

 「フォープレイ/ザ・ベスト」「イーグルス/アンプラグド」「ノラ・ジョーンズ/ファースト」などの高音質盤を十二分に堪能したのち、OFF会の最後には、ウィーンフィルの演奏による「帝国のマーチ(ダース・ベイダーのテーマ)」がかかった。

 怪鳥「モア」は、「キングギドラ」、「ラドン」を経て、ついに「ダース・ベイダー」にまで昇りつめたようであった。

 愛器「モア」に対するSさんの真摯な取り組みは、師であった長岡鉄男氏へのオマージュに溢れていた。きっと長岡鉄男氏は短く刈った頭をかきながら、目を細めてその様子を遠くから眺めているのであろう。




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