2021/1/9

5422:ジャズ  

 ピンク・フロイドのデビューアルバムである「夜明けの口笛吹き」のミュージックテープが終わった。

 ピンク・フロイドのアルバムの中でもっとも有名でセールス的にも成功したのは、彼らの8作目のオリジナル・アルバムである「狂気/The Dark Side Of The Moon」であろう。

 光のプリズムをモチーフにデザインされたジャケットがとても印象的であった。そのジャケットのアートワークを担当したのは、ヒプノシス(Hipgnosis)である。

 「狂気」の発表は、1973年である。私はリアルタイムでこのアルバムを聴いたわけではない。中1か中2ぐらいの時であるから、発売から4年ほど後に、プログレッシブロックが大好きであった友人の部屋で聴いた。

 その友人の部屋には、我が家にあった四本足の「アンサンブル・ステレオ」とは違い、レコードプレーヤ、プリメインアンプ、カセットデッキそしてスピーカーがバラバラの躯体に分かれているコンポーネント・オーディオが置かれていた。

 その「コンポーネント・オーディオ」で聴いた「狂気」は衝撃的であった。なかでも「タイム」の冒頭で聴こえてきた数多くの時計の鐘の音にはびくっとしてしまった。

 そんなことを思い出しながら「夜明けの口笛吹き」のミュージックテープをカセットケースに納めた。

 その時背後に人の気配を感じて振り返った。すると奥の2人掛けテーブルに座っていた男性が立ち上がって、すぐ後ろに立っていた。

 そして「箱を見てもいいかな・・・」とぼそっと呟いた。「どうぞ・・・どうぞ・・・」とミュージックテープが入った薄茶色の箱を手に取って、その男性に渡した。

 男性はその箱を手にして、中を覗き込んだ。そして、一つを取り出した。「おかけしましょうか・・・」私は目の前にSONY CF-1700があるので、そう言った。

 「じゃあ・・・頼みます・・・」とその男性はその選んだ1本のミュージックテープを渡してきた。そして薄茶色の箱をカウンターにおいて、自分の席に戻った。

 男性が選んだミュージックテープはジャズのものであった。ミルト・ジャクソンの「Brother Jim」であった。

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 残念ながらジャズのことは全くわからない。しかし、ミルト・ジャクソンという名前はどこかで聞いたことのあるような気がした。

 都会のナイトクラブという雰囲気のジャズが、SONY CF-1700から放たれた。私はしばしの間、その優雅な雰囲気に浸っていた。

 ホットコーヒーも飲み終えたので、「ゆみちゃん」に挨拶をして、会計を済ませた。「Mimizuku」を出ると、外は薄暗くなっていた。コインパーキングまで歩いて行って、車に乗り込んだ。そこで巻き戻されていた時計の針は一気に現代に引き戻されたようであった。




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