2019/12/5

5016:サルビアの花  

 車を運転している時、車内では「NHK FM」を流していることが多い。クラシックを流す番組が多いのがその理由である。

 しかし、クラシックばかりを流しているわけではない。月曜日から土曜日の午後1時から2時までは、「歌謡スクランブル」という歌謡曲やポップスを流す番組をやっている。

 今日は「青春のポップス集」という特集であった。昭和の時代の懐かしポップスが中心に流されていた。

 その中で特に印象的だったのが、もとまろ「サルビアの花」であった。もとまろは女子大生だった3名のメンバーが結成したフォークグループである。

 TBSの「ヤング720」というテレビ番組の「フォークグループ勝ちぬき歌合戦」に出場して、見事5週勝ち抜き、レコードデビューをした。

 しかし、メンバーはプロとしてやっていく気は特になく、この「サルビアの花」が収められたレコードを1枚だけをリリースして解散した。

 「いつもいつも思ってた サルビアの花を あなたの部屋の中に 投げ入れたくて」

 と印象的な歌詞で始まるこの曲は、その後暗い内容に落ちこんでいく。一時付き合っていて女性に振られたのか、あるいは当初から全く相手にされなかったのかは分からないが、男性の一方的な歪んだ愛が描かれる。

 もとまろの歌唱力は実に見事である。時に繊細で時におどろおどろしさをも感じさせてくれる歌には、とても強い吸引力がある。

 歌詞は後半で一方的な愛情を寄せる自分を相手にせず、他の男性との祝福された結婚式を挙げる彼女の様子が描かれる。

 「泣きながら君の後を追いかけて 花吹雪舞う道を転げながら 転げながら走り続けたのさ」

 との歌詞でこの曲は終わる。

 全く歪んだ解釈で、歌詞を書かれた相沢靖子さんには失礼になるであろうが、この歌を車の中で聴いていて、この転げながら走り続けた男性の手にはナイフが潜んでいたのではないか・・・という気がしてきた。

 泣きながら君の後を追いかけて・・・背後から幸せいっぱいの二人に襲い掛かり、鈍く光る刃は彼女の背中に深く刺さり、騒然とするその場から、転がりながら、転がりながら走って逃げる・・・そんな情景が頭の中に思い浮かんだのである。

 いわゆる「ストーカー殺人」である。そんな情景が思わず浮かんでしまうくらいにもとまろの歌は強烈なものである。

 この曲が収められたレコードは1972年の発売である。この曲の中にはその時代の息吹が色濃く反映されている。その色合いと香りは濃厚であり、私のような年代の者には心地よいものであった。




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