2019/9/10

4930:おせっかい  

 世の中が「昭和」の時代、駅前には必ずと言っていいほど個人経営の小さなレコード屋さんがあった。メインの商品はもちろんレコードなわけであるが、店内の片隅にミュージックテープのコーナーがあった。そこには、ミュージックテープが並べられていた。歌謡曲や演歌などが多かった記憶がある。

 SONY CF-1480の傍らに置いてある箱の中には、そんな懐かしさを誘うミュージックテープが10数本無造作に入れられていた。それらの背表紙を眺めた。

 これらのミュージックテープはご主人の遺品で100本以上あるとのことである。そのコレクションを幾つかの箱に納め、そのうちの一つをカウンターに入れ替わりで置いてあるようである。

 背表紙に書かれた日本語を眺めていると「おせっかい ピンクフロイド」と書かれたミュージックテープを見つけた。

 中学2年生の頃、友人が持っていたレコードをカセットテープに録音してもらってラジカセでよく聴いていた。

 懐かしさがこみ上げてきて、そのミュージックテープを手に取った。プラスチックケースを開けてカセットテープを取り出した。

 カセットテープは私のような年代の者にとっては、懐かしく、旧友に遭遇した時のような感慨をもたらすものである。

 その小さな長方形をSONY CF-1480のカセットホルダーに装着した。そして、正方形の形状で均等に並んだ操作ボタンの中から「PLAY」を選択して右手の人差し指で押した。

 テープはするすると回り始めた。それに伴ってカセットホルダーの下にあるカウンターも進み始め、その数字をゆっくりと更新していった。

 このアルバムの1曲目は「吹けよ風、呼べよ嵐」である。この曲は風の音から始まる。インストゥルメンタル・ナンバーであるが、軽快なリズムを刻み聴きやすい。

 1971年に発表されたアルバムで、レコードは持っていなかったが、カセットテープで繰り返し聴いていたので記憶にしっかりと刻まれていた。

 ピンクフロイドの曲がSONY CF-1480から流れているのを聴いていると、時間が一気に巻き戻り、1970年代の空気に包まれていくような気がした。

 「Mimizuku」の店内の様子もその助けとなった。この店に座ってしばしの時間を過ごしていくと、時間の感覚が麻痺してくる。一種のタイムスリップと言えるのかもしれない。

 人生も終盤に差し掛かり「老後」に片足を突っ込み始めている現在・・・そんな年齢の私には、この「Mimizuku」は、何故かしら心地よく、心癒されるものがある。

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