2019/7/17

4875:第1楽章  

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 風情のある日本庭園を有する甘泉園公園の細い道を歩いていった。「蝉が鳴いていないな・・・」と思った。

 7月の中旬、普段の年であれば蝉が鳴き始める頃合いであるが、低い気温が続いているせいか、蝉の幼虫はまだ地面の中にいて、外に出てきていないようである。

 Paoさんのお宅は甘泉園公園に面している。家の西側の窓からは公園の鬱蒼とした木々を望むことができる。

 木製の門扉を開けて中に入り、引き戸式の玄関の脇にあるチャイムを押した。今ではあまり見かけない白い小さな押しボタン式のものである。

 3回チャイム音が家の中でしたのが、聞こえてきた。ややあって、引き戸式の玄関ががらっと開いた。

 「どうも・・・どうも・・・」という感じで家の中に入った。玄関の上り口は古い家屋らしく段差が高めであった。

 まずはメインシステムが設置されている1階の部屋に案内された。その広さは8畳程。もともと和室であったものを、洋間にリフォームされている。

 リスニングポイントに置かれたイージーチェアに座った。メインシステムには何ら変更はなかった。昨年訪問した時と同じ景色であった。

 YAHAMA NS-5000は、艶やかなピアノブラックである。専用のスタンドに置かれたNS-5000はやはり存在感がある。そのプロポーションは、今では珍しいどっしりとしたものであり、かってのYAHAMAの代表作であるNS-1000へのオマージュであろう。

 Marantz CD34、MARK LEVINSON NO.26L、MARK LEVINSON NO.27.5Lは、縦型ラックにすっきりと収納されている。

 そのいずれもが隙のない素晴らしいデザインを有している。ALL BLACKSのシステムは、全体としてきりっと引き締まった表情をしている。

 私がPaoさんのお宅に初めてお邪魔したのは12年ほど前のことである。その当時のラインナップは今とは随分と違っていた。

 同じなのはCDプレーヤーのみである。このCD34は工藤氏によるフルチューニングが施されている。その数回にわたる改造にかかった費用は100万円を超えたとのことである。

 以前使われていたスピーカーは長岡鉄男氏設計のD-55であった。さらにプリンプはAurex SY-Λ88U、パワーアンプはLo-D HMA-9500を使われていて。

 プリアンプ、パワーアンプ、スピーカーが変わり、そのいでたちは随分と垢抜けた。すっきりとまとまった見た目同様、その音はすっきりとしていて見通しのいいものである。

 まずは、メインシステムで3曲聴かせていただいた。マーラーの交響曲第5番の第1楽章、シベリウスのヴァイオリン協奏曲の第1楽章、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番の第1楽章を聴いた。

 Paoさんは編成の大きなクラシックが好きである。YAMAHA NS-5000はニュートラルな音質で特有の癖が少ない。そういう意味で純粋な変換機能が高いスピーカーである。
 
 クラシックの名曲を聴きながら、Paoさんが最近購入したというサブシステムのことを考えていた。

 「なんだろうな・・・古い日本製のオーディオ機器のような気がする・・・Paoさんが選ぶとすると、スピーカーはもしかしてYAMAHA NS-1000であろうか・・・NS-5000を聴いて、その源流とも言えるNS-1000を聴きたくなった・・・という推理はかなりいいな・・・アンプはプリメインアンプだろうな・・・NEC A-10なんてどうかな・・・Paoさんは長岡教の信者だったはず・・・色も黒だし・・・かなり確率が高いような・・・」

 そんなことを思っていると、名曲の三つの第1楽章が脳内の聴覚中枢を刺激して、去っていった。

 「じゃあ、サブシステムも聴いてみる・・・?」とPaoさんが話を振った。「ええ・・・もちろん・・・今日はそちらが主役ですから・・・」と私は応じた。




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