2019/4/25
4791:Landsdown
「モニターシルバー、新しいのが入ったよ・・・イギリスから3日前に着いてね・・・12インチで、ペアではなく1本だけだけど・・・モノラル愛好家の依頼で探していたものでね・・・聴きに来る?」
という内容のメールが「オーディオショップ・グレン」の小暮さんから来たのは、月曜日のことであった。
今日はちょうど近くの顧問先の会社に行く予定があったので、打ち合わせが終わった後、車で中野坂上へ向かった。
12インチのモニターシルバー搭載のスピーカーは、いままで二つ聴いたことがある。Corner ChatsworthとCorner Canterburyである。
どちらもペアであった。今回のものは、残念ながらペアではなく1本であるので、必然的にモノラルとなる。
モニターシルバーが製造されたのは1954年から1957年・・・モノラルの時代であった。1958年になってステレオの時代になるとモニターレッドに切り替わる。
なので、1本のみでモノラルを聴くというのが、モニターシルバーの搭載されたスピーカーの本来の姿なのかもしれない。
小暮さんのメールにはそのスピーカーの製品名が「Landsdown」と記載されていた。Landsdownは1954〜61年頃まで製造されていたモデルのようで、1957年までは12インチのモニターシルバー、1958年以降は12インチのモニターレッドが搭載されていたようである。
「オーディオショップ・グレン」に新たにやってきたのはモニターシルバー搭載の初期型のモデルのようである。
我が家のGRFに搭載されているモニターシルバーは15インチである。キャビネットは英国オリジナル。モノラルの時代に製造販売されたものであるので、1本のみで販売されていたはずである。
その後ステレオの時代になり、スピーカーが2本必要になったので、当初このスピーカーを購入したオーナーは同じものをもう1本購入したのであろう。
同じGRFではあるが、製造された年は違うようで、左右でエンブレムの形状が違う。キャビネットの造りにも細かな点では左右で違いがあるのかもしれない。
小暮さんはメールの最後に参考資料として、1956年のHiFi Years Bookに記載されていたTANNOYのラインナップを載せてくれていた。
TANNOY Autograph(15in) £150.3
TANNOY GRF(15in) £116.10
TANNOY York(15in) £71.8
TANNOY Landsdown(12in) £68.5
1956年におけるTANNOYのラインナップはこの4つであったようである。Landsdownはエントリーモデルの位置づけであった。
1956年であるので、価格は1本の値段である。15インチを搭載した大型のモデルはどちらかというと大広間などの広い空間に相応しいもので、一般的な家庭ではLandsdownで必要にして十分であったはず。
我が家のように8畳の部屋にGRFを押し込むのは、本来は相応しいのではなく、Landsdownが、丁度いいものであったのであろう。そういう意味合いにおいても、Landsdownは聴いてみたくなる存在である。
いつも車を置くコインパーキングに車を停めて少し歩いた。天気予報はにわか雨の心配を伝えていたが、その兆候は窺えなかった。
古いビルの1階には喫茶店が入っている。ここにもよく来る。店名は「Mimizuku」。ビルと同じく古い店で時代に取り残された感のある喫茶店である。
窓ガラスから店内の様子をちらっと覗いた。平日の夕刻、客の姿はなかった。いつものように店内では独特の時間がゆったりと流れていて、外の時間とははっきりとずれているようであった。
ビルの脇にある階段を登った。直角に折れ曲がる踊り場を何度か過ぎ去って、4階に着いた。灰色の金属製のドアには小さな看板が掲げられていた。
という内容のメールが「オーディオショップ・グレン」の小暮さんから来たのは、月曜日のことであった。
今日はちょうど近くの顧問先の会社に行く予定があったので、打ち合わせが終わった後、車で中野坂上へ向かった。
12インチのモニターシルバー搭載のスピーカーは、いままで二つ聴いたことがある。Corner ChatsworthとCorner Canterburyである。
どちらもペアであった。今回のものは、残念ながらペアではなく1本であるので、必然的にモノラルとなる。
モニターシルバーが製造されたのは1954年から1957年・・・モノラルの時代であった。1958年になってステレオの時代になるとモニターレッドに切り替わる。
なので、1本のみでモノラルを聴くというのが、モニターシルバーの搭載されたスピーカーの本来の姿なのかもしれない。
小暮さんのメールにはそのスピーカーの製品名が「Landsdown」と記載されていた。Landsdownは1954〜61年頃まで製造されていたモデルのようで、1957年までは12インチのモニターシルバー、1958年以降は12インチのモニターレッドが搭載されていたようである。
「オーディオショップ・グレン」に新たにやってきたのはモニターシルバー搭載の初期型のモデルのようである。
我が家のGRFに搭載されているモニターシルバーは15インチである。キャビネットは英国オリジナル。モノラルの時代に製造販売されたものであるので、1本のみで販売されていたはずである。
その後ステレオの時代になり、スピーカーが2本必要になったので、当初このスピーカーを購入したオーナーは同じものをもう1本購入したのであろう。
同じGRFではあるが、製造された年は違うようで、左右でエンブレムの形状が違う。キャビネットの造りにも細かな点では左右で違いがあるのかもしれない。
小暮さんはメールの最後に参考資料として、1956年のHiFi Years Bookに記載されていたTANNOYのラインナップを載せてくれていた。
TANNOY Autograph(15in) £150.3
TANNOY GRF(15in) £116.10
TANNOY York(15in) £71.8
TANNOY Landsdown(12in) £68.5
1956年におけるTANNOYのラインナップはこの4つであったようである。Landsdownはエントリーモデルの位置づけであった。
1956年であるので、価格は1本の値段である。15インチを搭載した大型のモデルはどちらかというと大広間などの広い空間に相応しいもので、一般的な家庭ではLandsdownで必要にして十分であったはず。
我が家のように8畳の部屋にGRFを押し込むのは、本来は相応しいのではなく、Landsdownが、丁度いいものであったのであろう。そういう意味合いにおいても、Landsdownは聴いてみたくなる存在である。
いつも車を置くコインパーキングに車を停めて少し歩いた。天気予報はにわか雨の心配を伝えていたが、その兆候は窺えなかった。
古いビルの1階には喫茶店が入っている。ここにもよく来る。店名は「Mimizuku」。ビルと同じく古い店で時代に取り残された感のある喫茶店である。
窓ガラスから店内の様子をちらっと覗いた。平日の夕刻、客の姿はなかった。いつものように店内では独特の時間がゆったりと流れていて、外の時間とははっきりとずれているようであった。
ビルの脇にある階段を登った。直角に折れ曲がる踊り場を何度か過ぎ去って、4階に着いた。灰色の金属製のドアには小さな看板が掲げられていた。