2019/4/23

4789:柳沢峠  

 柳沢峠のヒルクライムの距離は約17km。塩山側から上る柳沢峠は今日の超ロングのハイライトである。ここは唯一バトルモードで走る。

 しかし、普段のロングのヒルクライムバトルとは根本的に違う。ここまで既に100km以上の距離を走ってきている。道は上り基調であった。「大垂水峠」「笹子峠」と二つの峠も越えてきた。脚の余力は当然のことながらあまり残っていない。

 さらに上る距離が約17kmと長い。普段のロングライドでよく上る峠の距離の3倍ほどの距離がある。かなり過酷な工程となることは、走り始める前から十分に分かっていた。

 ペース配分を誤ると、後半脚がまったく回らなくなる可能性が高い。前半は相当抑えて走る必要がある。

 10台のロードバイクは、ゆったりとしたペースでスタートした。序盤は隊列キープで走った。3km程のアップ区間を経過するとペースは上がり始め、いよいよバトルモードに入っていった。

 「220ワット以下でコントロールしよう・・・それ以上上げないように・・・」そう思いながらクランクを回すペースを上げていった。

 サイコンのパワー数値を凝視した。その結果常時うつむき加減でこの厳しい峠道を走り続けた。メンバーは、順次ペースを上げて前に出ていく。

 今日はその差が開いても、ペースを上げることは全くしなかった。その小さくなる背中が幾分心の中をざわつかせるが、「先は長い・・・」と独り言を繰り返した。

 しっかりとした斜度の坂は延々と続く。トンネルも幾つか潜っていった。苦しみながらもペースは維持し続け、スタートしてから10km程走った。

 前には4名のメンバーがいるはずであるが、視界に入ってきたのはすぐ前を走るメンバーの背中だけであった。

 その背中は徐々近づいてきた。追いつき追い越す時にはお互いに体力を使う。自転車は気持ちで走る面がとても大きい。

 競るとパワーの限定を超える負荷を体にかける。ややあって前に出ると、遠くに3番手を走るメンバーの背中が見えた。

 次はその背中を目指した。残り距離は6km程のはずである。その背中は少しづつではあるが大きくなってきていた。

 すると、前を走っていたメンバーは道の脇によって立ち止まった。通り過ぎる際「大丈夫ですか・・・?」と、ロードバイクのハンドルにもたれかかるようにしていたメンバーに声をかけた。

 「ちょっと、めまいがしてきたので・・・」と、つらそうな調子で返事があった。その脇をすり抜けていき、視線を前に移した。

 ここで2番手を走るメンバーの背中が視界に入ってくるととても助かったのであるが、残念ながら、相当な距離の差がついてしまっていたようで、見えなかった。

 視界に前を行くメンバーの背中があると、引っ張ってもらえるが、淡々と続く坂道のみしか目に入ってこないと、気持ちを保ち続けるのが難しい。

 残り距離が少なくなるにしたがって200ワット以上のパワーを維持するのが困難になってきた。前半抑えた走りに徹っしていたとはいえ、それなりのパワーで走り続けた。終盤は脚の余力もほぼ底を尽き、底にまばらに残っているものをかき集めて、どうにかこうにか走り続けた。

 そしてようやくゴールが見えてきた。弱々しいながらも腰を上げてダンシングで走り抜けた。やはり塩山側から上る柳沢峠は過酷なヒルクライムであった。

 激しく消耗した。LOOK 785 HUEZ RSを「柳沢峠」と書かれた道標の前に立てかけてスマホで写真を撮った。

 標高が高く、空気はひんやりとしていた。汗を大量にかいていた。サイクルウェアを着替えたいところであったが、もちろん着替えの用意などなかった。

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