2018/12/25

4669:ヒルクライム  

 山伏峠の序盤は集団でゆっくりとしたペースで走っていった。そのペースも徐々に上がっていく。負荷が上がっていくにしたがって、サイコンに表示されるパワーの数値も大きくなっていった。

 5台のロードバイクは連なって進み、見慣れた風景を一つ一つ通り過ぎていく。峠道は何度も曲がる。右に曲がり、左に曲がり、その行程をこなしていった。

 山伏峠には斜度がぐっと上がる難所が2箇所ある。一つ目は皆、そつなく走り、まだ集団はばらけなかった。

 しかし、次なる2箇所目の難所では、その厳しい斜度により、集団はばらけた。大きく左に曲がるこの難所では、盛大に脚が削られる。

 私はダンシングでここを上っていった。ここで無理をし過ぎると、山伏峠の終盤で踏ん張れない。少し抑えめにクランクを回し続けた。

 上級者2名はすっと前に出ていき、長く伸びた集団の一番後方に私は下がった。どうにか難所を越えた。

 ここから山伏峠の頂上まで斜度はそれほど厳しくはない。難所を越えて呼吸を整えてから、ペースを少しずつ上げていった。

 パワーは250ワット前後で推移していた。すぐ前を走っていたメンバーをかわして、3番手のメンバーの背中を視界に入れ続けて、その間合いを詰めるべく、パワーを落とさずに山伏峠の終盤を走った。

 調子が戻ったので脚は元気であった。私の旧式のエンジンの排気音はうるさい。どう考えてもマフラーが壊れているとしか思えないような音がする。なので、背後からそっと近づいていってかわすことはできない。

 近づいてきていることはバレバレである。山伏峠の頂上が近づいてくると2台のロードバイクは連なるようになり、ほぼ同時に山伏峠の頂上を越えた。

 ここから500メートルほど下る。下り始めて少しすると、前を走っていた2名の上級者がスローダウンして下っていた。

 「あれ、ここで終わり・・・?」とその後姿を見て、スピードを一旦落とした。その後ろにゆっくりと付けば、休戦協定が成立である。後は正丸峠の頂上まで談笑しながらゆっくりと走ることになる。

 少し迷ったが、「いや、調子が悪くないので、正丸峠でももがこう・・・」と思い直して、一旦落としたスピードを元に戻して、その右脇をさっとすり抜けていった。

 休戦協定にはサインをせすに、無謀にも「宣戦布告」をした。追いかけられたら勝ち目はないが、いつものスピードで下り、直角に右に曲がり、正丸峠の上りを勢いよく駆け上がっていった。

 もちろん後ろからは追いかけられている。猟犬に追われるイノシシのように必死で走ったが、やはり正丸峠の終盤で上級者2名にはかわされてしまった。

 最後はお約束のラストスパートをして、山伏峠・正丸峠のヒルクライムコースを走り終えた。疲れ切ったが、すがすがしい気分であった。

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