2018/7/28

4519:グリーン  

 彼女の自宅の前に着いた。駐車場スペースに置かれていたアルファエロメオ ミトのすぐ前にフォルクスワーゲン ポロを停めた。

 「まだ、乗り換えていないのか・・・もう、ジュリエッタが納車されているのかと思っていた・・・」そのどこかしら懐かしくほのぼのした車の表情を眺めながらそう思った。

 そして、車から降りた。ドアを閉めると、軽めの音がした。すでに7年が経過した車である。納車当時は感心したその剛性感も今となってはそれほど高いものではない。

 門扉の横にはチャイムがあった。よく見かけるタイプのもので、濃い目のグレーの色合いをしていた。その小さな四角い箱の右下に配置された丸いボタンを右手の人差し指で押すと、やや間延びした感じのチャイムが家の中の向こう側で響くのが聞こえた。

 ややあって、返答があり、そして、アルミ製の玄関ドアが、軽めの金属音を発して開いた。顔を出したのは、彼女であった。

 リビングに通されて、ソファに座った。かつて、このリビングには、彼女の夫が有していたオーディオシステムがセッティングされていた。

 彼女の夫が高価なオーディオシステムを購入したのは子供がある程度大きくなってからのことであった。

 それらは少し前にすべて撤去されて、「オーディオショップ・グレン」の小暮さんが買取り、ヤフオクですべて処分された。

 いずれも人気の高いものであったので、ほぼ想定していた金額の落札価格が付いたようであった。

 オーディオセットが無くなって広く感じられるリビングルームの大きめの窓にかけられていたカーテンは淡いグリーンの色合いで統一されていた。

 ソファに座って、用意した書類をテーブルの上に並べながら、「『シェイプ・オブ・ウォーター』の色合いですね・・・このカーテン・・・」と私は、彼女に話しかけた。

 「観ましたか、あの映画・・・全編グリーンでしたよね・・・グリーンって中間的な色合いかと思っていましたけど、あの映画では悲しげなグリーンの色合いで統一されていて、とても印象的でした。あの映画を観ると、『緑の映画』という印象が強く残って・・・ファンタジックなストーリーでしたが、不思議な映画でした・・・」

 そう話しながら、彼女はアイスコーヒーを出してくれた。そして、テーブルの上に用意された書類を一瞥してから、「子供を呼んできます・・・一緒に説明を聞きたいと言っていたので・・・ちょっと待ってください・・・」と言って、2階に上がった。

 ややあって、彼女と彼女の娘が連れ立って、降りてきて、ソファに座った。私は、彼女の娘と合うのは初めてであった。



2018/7/30  8:07

投稿者:tao

どういう展開になるのかは・・・不明です・・・

2018/7/29  23:54

投稿者:ponta

まさか、そういう展開になるのではないでしょうね?


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