2018/2/23

4364:退避場所  

 「ピアノの上の壁にかけているもの何なの・・・気味が悪いから外してくれないかな・・・ピアノを弾いていると視界に入るから嫌なんだけど・・・」

 と妻からやや怒気の籠った言葉が放たれた。

 「しまった・・」と内心の言葉が漏れ出た。

 「ああ、あれね・・・ちょっと借りた物で・・・すぐに場所を移すから・・・」と答えて、リスニングルームに向かった。

 妻のひんしゅくを買ったのは、大川さんが先日我が家のリスニングルームに持ち込み「2週間ほどお貸ししますよ・・・それで効果が十分あると確信されたら、購入されたらどうですか・・・?一般受けするものではないですし、こういった外観ですから・・・しかも、けして安いものではないですからね・・・」と言ってくれて、しばしの間お借りすることとなった「額縁」である。

 これはまだ一般に市販されているものではなく、あくまで試作品であるが近い将来に製品版が販売される予定のものである。

 「額縁」をリスニングルームのいずれかの壁に設置すると、聴感上リスニングルームのすべての壁が後方に下がったような感覚がもたらされるというものである。

 つまりリスニングルームが広くなったかのように感じるのである。理論上はどう考えても意味不明の「とんでも商品」なのであるが、実際に試してみると確かに効果がある。

 大川さんは「クリアでクリーン」な質感に音が変わると表現された。私はリスニングルームが一回り広くなった様に感じた。

 設置する場所はどの壁でもいいとのことであったが、なんとなくリスニングルーム背後の壁の真ん中あたりに設置したくなった。

 シンメトリックな配置が好きなのはオーディオマニアの性であろうか・・・センターの位置に設置したほうが良い効果があるような気になってしまうのである。

 しかし、妻からの叱責を受けて、その位置は変えざる得ないこととなった。ピアノを弾く妻の視界から完全に消し去る必要がある。

 スピーカーの背後の壁の真ん中という手もあるが、そうするとリスニングポイントの真正面の位置になり、音楽を聴きながらその「物体」を見ることになる。

 この「物体」、理論的な意味不明度も高得点であるが、それ以上に見た目が良くない。私も妻同様「それ」が視界に常にあるのは心地良いものでない。

 両サイドの壁でも視界に入ってくる。やはりリスニングポイント背後の壁しかない。背後には妻のアップライトピアノが真ん中に置いてある。

 そのピアノの両サイドのいずれかで床から近い位置であれば、ピアノを弾く妻の視界に入らないエリアがある。

 妻のアップライトピアノの椅子に座ってその視界から外れる「死角」を探した。そしてそのエリアに収まるように「額縁」の位置を移した。

 「これなら・・・どうにか大丈夫かな・・・」

 そこで、早速その設置位置にかかわらず効果の程度は変わらないということが事実であるが否かを検証してみることにした。

 従前の位置にもピンが壁にささったままになっているので、位置移動は簡単にできる。従前の位置のほうが良ければ、普段は「退避場所」にかけておき、オーディオを聴くときのみ従前の位置にかけかえる・・・という手法も考えられる。

 そして、慎重な検証作業が行われた。その結果は「ほとんど変わらないかな・・・」というものであった。

 ということで、この「額縁」はリスニングポイントであるイージーチェアに座っても、そしてアップライトピアノを弾いていても決して視界に入ってこない位置に設置されることとなった。




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