2017/11/27

4276:モニターシルバー  

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 一週間ほど前に、モニターシルバーが戻ってきた。製造されてから60年以上の時を経ているので、その貴重なユニットは多くの錆に覆われ、とある部分が剥離していたりしていたようである。

 分解清掃されて長い年月の間に溜まった汚れはすっかりと落とされた。どうやらすっかりとリフレッシュしたようである。

 PSDの大山さんが愛車のVOLVO S60で、専用箱に入れられた2個のモニターシルバーを我が家まで運んでくれた。

 早速その二つの箱をリスニングルームに持ち込んで、キャビネットに取り付けた。取り付けは、一人でやろうとすると結構大変な作業になるであろうが、二人でやるととてもスムースに事は運ぶ。

 大山さんはTANNOY GRFのキャビネットを指でコツコツとしながら「こんなんで、大丈夫なのかな・・・」と呟いた。

 その英国で製造されたキャビネットは、指でコツコツすると盛大に響く。どこを叩いても響く。響きを抑えるという発想が全くない。

 一方、PSD T4のキャビネットを指でコツコツしても全く響かない。キャビネットの響きは音を濁らせるので、堅牢な構造で隙なくしっかりと組まれていて、高性能なユニットの音のみが響き渡る。

 正反対の思想で作られた二組のスピーカーが、私のリスニングルームに偶然居合わせたことになる。

 取り付けは完了した。では早速音を出して確認するべきところであるが、実は我が家のMarantz Model7が急遽体調不良を訴えて入院していたので、残念ながらその日すぐに音を確認することはできなかった。

 ようやく昨日、Model7が退院して我が家に戻ってきた。今日は仕事を終えてから、綺麗になったモニターシルバーの音を確認することができた。

 モニターシルバーが全身を洗ってもらっている間、大山さんのご厚意によりPSD T4を聴かせてもらっていた。

 その澄み切った音に耳が慣れている状態で、60年も前に製造された盛大にキャビネットが鳴くスピーカーを聴いたら「古い・・・」と絶句する危険性もあった。

 「T4はスポーツカーで、GRFはラグジュアリーセダンだから・・・同じ土俵で勝負する車ではないからね・・・心するように・・・」と自分に言い聞かせながら、聴き慣れたCDをかけた。

 「やっぱり乗り心地が違うもんだ・・・ラグジュアリーだよね・・・ラグジュアリー・・・足回りのセッティングも緩め・・・」

 T4のスポーティーなセッティングに体が慣れていたので、最初のうちは少々物足りなさを感じる場面もあったが、CDでルターのレクイエムを聴き終え、さらにラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を聴き終え、レコードでバッハのパルティータ第1番を流す段になると、肩の力もすっかりと抜け、その乗り味に耳も慣れてきた。

 パルティータ第1番が収録されたレコードのA面が終わる頃にはなんとなく納得した。「なるほどね・・・GRFにするとオーディオから心が離れるような感覚があるな・・・T4の時にはその高性能なハンドリングやサスペンションの動きに神経が向いたが、GRFになると周囲の風景に心が向くような・・・そんな感じであろうか。

 モニターシルバーは綺麗になった。分解清掃そして移送・・・そういったことはモニターシルバーにとって、少々ストレスであったに違いない。

 GRFのキャビネットに納まって今は少しほっとしていることであろう。これから時間をかけていけば、もっと馴染みよく融和してくるであろうと思えたので、一安心であった。




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