2017/8/4

4162アダプティブシャシーコントロール:  

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 オーディオマニアという種族は、「聴き比べ」が好きである。ある一つの要素以外は固定しておいて、その要素を切り替えることによって、音がどのように変わるのか・・・そういった「聴き比べ」になると、神経を聴覚に集中させて、じっと聴き入る。

 先日は我が家で二つのDACを聴き比べ、さらには3本のデジタルケーブルを聴き比べた。もちろんその結果が全てあまねく通用するわけではなく、システムなどの前提条件が違えば結果も違うのであるが、興味深い結果となった。

 そんな「聴き比べ」が、昨日チューバホーンさんのお宅でも行われた。2ケ月に1回の割合で杉並区の「ProFit」で整体の施術を受けて体をニュートラルな状態に戻してもらっているが、今日はその施術の前に1時間ほど興味深い「聴き比べ」を行った。

 チューバホーンさんのMarantz 7は、ある意味「7であって、7でない・・・」という少し異端児的な7である。

 Catbossさんによって、オリジナルパーツに拘らない徹底的なリファインが行われていて、その性能はヴィンテージ・オーディオの領域をはるかに超えている。

 そして、そのリファイン作業は現在も進化して止まることを知らず、フォノ回路も2系統の仕様を内蔵できるようになった。

 その二つのフォノ回路・・・違いはコンデンサーのようであるが、それぞれしっかりとした個性を持っていて、同じ7でありながらまるで二つの顔を持っているようであった。

 今日はその二つの顔をいろいろなか角度から検証すべく、アナログタイムが進行したのである。クラシックやポピュラーのレコード数枚を使って、その検証作業は行われた。

 2系統の回路は、セレクターを「PHONO 1」と「PHONO 2」に切り替えることによって選択できる。

 まずは「PHONO 2」で聴いて、その後同じ曲を「PHONO 1」で聴くという手順で、聴き進んで行った。

 この二つのフォノ回路、実に対照的な性格を有している。「PHONO 2」で聴くと、アナログらしい質感を感じる。レンジはそれほど広くないが、音の穏やかさや密度感、やや高めの温度感が心地いい。空間表現も一般的なそれで格別というほどではない。

 一方、「PHONO 1」にすると、音数が増え、レンジもサウンドステージも広がる。温度感は若干下がり、良い意味でも悪い意味でもCD的な音になる。

 「一長一短ですね・・・1960年代から1970年代前半までの録音のレコードは『PHONO 2』の方がしっくりときます・・・そういった古い時代の録音の曲を『PHONO 1』で聴くと録音年代がぐっと引き上げられてしまって時代の雰囲気や息吹といったものが希薄になってしまいます。1970年代後半から1980年代にかけての新しめの録音のレコード、特にデジタル録音されるようになった時代以降のものは『PHONO 1』の方が断然良いような気がします・・・」

 私はそう感想を述べた。どちらがより良いと断定できない感じであった。録音された時代に応じて切り替えるのが、この二つのPHONO回路を活かすコツなのかもしれない。

 専用のウッドケースに入れられたMarantz 7はヴィンテージ・オーディオの王道的な瀟洒な外観をしているが、この7はやはり「7にして7にあらず・・・」といった感を再認識した。

 「羊の皮をかぶった狼」とでも言うべきか・・・二つのフォノ回路は、車で言うと「アダプティブシャシーコントロール」のようなものかもしれない。

 「PHONO 2」の方は、快適な乗り心地を維持する「コンフォート」であり、「PHONO 1」は俊敏性を一気に高める「スポーツ」モード・・・それらをスイッチひとつで選択可能・・・実に贅沢な仕様である。




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