2016/12/25
3940:若人

新たなMarantz Model7の音は、実に若々しい音がした。一気に時代を駆け上がったような感覚に捉われた。
Maranzt Model7は、ステレオ黎明期の1958年に世に出たプリアンプである。それからすでに半世紀以上の時間が経過し、やがて60年にもなろうかという製品である。
そんな古いプリアンプでありながら、今TANNOY GRFから放出される音は鮮度感の高いものである。HさんがフルレストアしたModel7は「もはやヴィンテージではない・・・」というメッセージが込められているかのような鮮烈さを有していた。
Model7の開発者、ソール・B・マランツ氏は、優れたイダストリアルデザイナーで、電子工学の分野においても並々ならぬ造詣と独創的な発想の持ち主であった。
その彼が設計したModel7の1958年当時の評価は「実に明晰な音・・・」というものであったそうである。
「明晰な音か・・・確かにこのModel7は明晰な音である・・・」そん風に思いながら、レコードを聴き進んでいった。
まだまだエージング途中であるので、音の変化はより滑らかな方向へ向かっていくのかと推測されるが、この明晰さ鮮烈さの特徴はしっかりと残っていくであろう。
TANNOY GRFも少々驚いたような表情をしていた。このGRFはモニターシルバーが搭載されたオリジナルキャビネット仕様である。
まだステレオ時代が到来する前、モノラルの時代の製品である。その齢はゆうに60歳を超えてしまっている。
その老体と言えるGRFも若々しい音の流入に少しばかり表情をほころばせたようである。「若いっていいね・・・」そんな風に呟いているかのようであった。
もちろん、まだ熟していない黄色いバナナのような味わいも見せているが、エージングの時間が十分に経過したならば、きっとその味わいも変化してくるのであろう。
2016/12/27 7:43
投稿者:tao
2016/12/26 20:54
投稿者:seibo
このModel7は現代版Model7とでも評したい高性能型です。
いわゆるヴィンテージとは全く異なった世界を見せてくれます。