2015/9/24

3296:夜間走行  

 大弛峠の頂上は霧が少し出ていた。気温はとても低く、ウィンドブレーカーを着込んだ。体はやがて寒さで小刻みに震えはじめた。

 メンバー全員で恒例の記念撮影を済ませて、延々上ってきた道を下り始めた。下っていると、「こんな道を上ってきたのか・・・」と改めてその過酷さを感じたりもする。

 勢いよく下っていくと2,000m以上の標高はみるみる下がっていく。最初はその寒さ故、体が強張り、歯がかみ合わない感じであったのが、徐々に体の筋肉が緩んでいくのが分かる。

 長い長い下りを走り切り、コンビニ休憩を入れてから、甲州街道へ入っていった。新笹子トンネルへ向けて走った。やがて道は緩やかな上りに転じていく。

 この上りが長い。緩やかとはいえ長い上りを速めのペースで上っていくのは結構な試練であった。周囲はすっかりと暗くなっていた。

 8台のロードバイクは黙々と進んだ。新笹子トンネルの前に到着してトイレ休憩を済ませてからトンネルに突入した。

 このトンネルは道幅が狭い。車が猛スピードですぐ脇を走り抜けていったりもする。自転車で通り抜けるにはかなりの恐怖を味わう可能性が高い。

 8台が連なると車が抜きにくくなるので、4台ごとに二つに分かれて走った。幸い大概の車は膨らんで抜いていってくれた。

 思っていたほどには怖い思いをすることなく、トンネルを抜けていった。トンネルの先は長い下りである。大月まで一気に走った。

 大月で小休止の後、相模湖方面へ向かいその先の大垂水峠へ・・・皆、疲労度合いはほぼMAXの状態のはずである。しかし、早いペースでトレインは進んだ。

 大垂水峠の上りは4kmほど。斜度もそれほどきついわけではないが、とうの昔に限界点を超えたかのように思える体と脚には、その負担は想像以上に過酷である。

 8台のロードバイクは綺麗なトレインの形態を維持して、誰も切れなかった。私の脚もどうにかこうにか回っていた。

 大垂水峠の頂上に達した時には陶酔感のようなものが舞い降りてきた。周囲は真っ暗である。ロードバイクに取り付けられているLEDライトが白や赤の明滅を繰り返していた。

 走りに走り、越えに越えてきた。大垂水峠を下り切り高尾山口駅の前のコンビニで最後の休憩をした。脚はぼろぼろといった感じである。

 夜間走行はまだしばし続いた。連休のため車の渋滞に出会い、その脇をすり抜けるようにして走り、浅川の脇の遊歩道では街灯がない真っ暗な中を恐々走った。

 八王子を抜けて多摩大橋を渡り、五日市街道方面へ・・・玉川上水沿いの道を通って、多摩モノレールの下を潜れば、もうホームタウンという感じのエリアである。

 東大和市のメンバーは途中で本隊と分かれた。そこから数キロ走って自宅に着いた。サイコンの走行距離表示は「273」という数字を示していた。長い長い一日はようやく終わろうとしていた。




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