2015/3/16

3284:夢  

 「たった一日で髪の毛が真っ白になる・・・ごく一部ではなく、全てが真っ白。鏡に映る自分の姿に驚きながら『何が原因でこうなったのであろうか・・・?』と訝しくそして同時に悲しく思う。しばらくして、それが夢であることに気付くとほっとする。そんな夢を何度か見るんだけど、そんな経験ない・・・」
 
 私はVW POLOの助手席に座っている「寧々ちゃん」に話しかけた。

 「それはないかな・・・でも、『夢か・・・ほっとした・・・』というパターンのものって結構あるかな・・・例えばたった一日で急激に太ってしまって、たっぷりとたるんでしまったお腹の肉を手でつかんでうんざりしているっていうパターンなんてある・・・、」

 「それも嫌だね・・・あと髪の毛がごっそり抜けていて地肌が見えちゃっているていうパターンもあったな・・・これもその瞬間は落ち込むんだよね・・・夢だと分かった時に本当にホッとするんだ・・・」

 「そういうパターンの夢を見る時って、疲れているんじゃない・・・疲れているから、体が『あんまり無理しないように・・・』ってメッセージを自分に送っているのかもしれないよ・・・」

 「そうかもね・・・あと、スポーツなんかで派手に体を動かして疲れ切った時って、結構ハチャメチャな夢を見るんだよね・・・まったく理屈が合わないというか、設定自体が時間的整合性なんかがすっかりすっ飛んじゃって・・・」

 「体が疲れている時って眠りが深いじゃない・・・その眠りの深さが夢にも影響しているのかも・・・理性とはかけ離れた深い睡眠状況だと、ハチャメチャ度がぐんとアップするのかもしれない・・・」

 車は狭山湖の堤防を渡っていた。ここは少し道幅が狭い。すれ違う対向車との間隔に少しばかり気を付けながら進んだ。

 堤防を渡り終えた先の信号は赤であった。信号の手前で止まった。アイドリング状態でのVW POLOのエンジン音は実に静かである。タコメータに視線を移しその針がゼロを指していないことを確認した。針はピクリともせずに一点を指していた。

 信号が青に変わった。ブレーキペダルから右足を離し、アクセルペダルに移動させた。軽く踏み込むと少しくぐもったエンジン音が車内に響いてタコメータの針はすっと上がっていく。1速から2速、そして3速と素早くギアが上がっていく。ギアが上がるとその瞬間すっとタコメータの針は下がる。

 しばらく上りのくねくねと曲がる道を進み、右折した。周囲の木々にはそこかしこから春が近いことをうかがわせる変化が見られた。空気にも春の柔らかさが感じられた。天気は曇りであったが、コートがいらないくらいであった。




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