2014/12/29

3207:試金石  

 山伏峠の上りは約4kmほど、平均斜度はそれほど厳しいものではないが、時折厳しくなる。そこでペースを維持できるかが一つの試金石となる。

 上り口からゆったりとしたペースで上り始めた。少し行った先に工事区間がある。ここは片側交互通行になっていて、道路工事用の信号が設置されている。青いランプと赤いランプがあり、どちらかが点灯している。赤の場合には残り時間も秒単位で表示される。

 この信号、記憶している限り青だったためしがない。今回も赤であった。待ち時間は50秒ほど・・・その数字が少しづつ減っていく。

 カウントダウンのように数字が小さくなり青いランプが点灯した。その青い色を合図にリスタートした。

 少しづつスピードを上げていった。それにつれサイコンに表示される心拍数も上がっていく。アクセルを少しづつ踏み込む。エンジンの回転数が上がっていく。車と同じである。

 私のエンジンは年齢の割には高回転系である。負荷がかかり続けるとすぐに170回転を超える。今日もそうである。しかし残念ことに回転数が上がってもエンジン出力がそれほど上がらない。スピードはほぼ一定のままである。

 しばらく上った地点から、ORBEA ORCAがすっと前に出てペースを上げていった。このペースにはとてもついていけない。その背中はどんどん小さくなっていく。

 中盤ぐらいで、次はBH G5がすっと前に出る。離されまいとするが、すぐに差が広がる。エンジンの回転数は180を超えていた。私にとっては危険水域である。これ以上負荷を上げると終盤まで持たない。

 山伏峠を3分の2ほど上がったところに大きく曲がるカーブがある。ここで斜度が急に上がる。一つの難所である。前を行くBH G5はシッティングのまますいすい上って行く。私はどうにかこうにかダンシングでトルクをかけて上って行く。

 この難所で、前に出たBH G5とはぐんと差が開いた。どうにかこうにか視界にその背中を捉えていたが、難所を過ぎて斜度が少し緩んでも疲労からペースをすぐに上げられない。

 しばし、脚を緩める。充電量を回復させてから、山伏峠の頂上へ向けて少しづつペースを戻していく。

 山伏峠の頂上が見えた。ダンシングでペースを上げる。頂上を超えて下る。下りながらいくつかのカーブを曲がる。

 下りで充電量を確保して、正丸峠の上り口へ右折していった。「前を行くBH G5は、もしかしたら正丸峠の上りでペースが落ちるのでは・・・」とかすかに期待していた。

 正丸峠の上りでペースを上げた。しかし、BH G5の背中は近づいてこない。「落ちてこない・・・」柿が落ちてこないか上を見上げているカニのように、私は呟いた。

 ペースを少し上げたが、前を行くBH G5との差は全く縮まらないまま、正丸峠を上り終えた。エンジンの回転数を示す針は、正丸峠を上っている間レッドゾーンを指し続けていた。上り終えたのち疲労がズンと全身を覆った。

 峠の頂上にある「奥村茶屋」の脇にあるフェンスにORBEA ONIXを立て掛けた。そのフェンスには正月を祝うための小さな飾りがついていた。その小さな飾りが「来年も頑張りなはれ・・・」と呟いているように思えた。

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