2014/10/25

3143:夕暮れ  

 麻布十番駅の改札を出てしばし歩く。シンガポール大使館のある角を曲がると、鳥居坂がある。その坂を上っていく。東洋英和女学院の由緒正しい雰囲気の校舎の横をしばし歩く。すると港区の麻布区民センターがある。

 麻布区民センターは古い建物である。昔ながらの公民館といった風情。周囲は都心部独特の取り澄ましたような冷徹な雰囲気が漂うが、この建物のなかはくつろいだ穏やかな感じであった。

 ここで麻布区民祭りは行われる。100名ほど入る小さなホールがあり、そこでいろんな団体やサークルが順番に出演する。フラダンスがあったり、シャンソンがあったり、ヒップホップダンスがあったりと様々である。

 ここでウィンナーワルツのデモンストレーションを行った。男性は燕尾服やタキシード。女性は色様々なドレスを着用する。

 3階が控室になっていて、そこで着替えた。男性はすぐに済むが女性は大変である。しかし、念入りにメイクアップして華やかなドレスに着替えると、雰囲気がガラッと変わる。8名で舞台裏の控室に移動する際にすれ違った人は目を見張る。

 持ち時間は10分ほど・・・最初はカドリールと呼ばれるウィーンのフォークダンスを踊る。これは振りを覚えてしまえば簡単な動きであるので難しくはない。

 続いてウィナーワルツを踊る。舞台はそれほど広くはない。そのなかを4ペアの間隔などに気をつけながら踊らなければならない。

 ヨハンシュトラウスの陽気な音楽が流れ、我々8名は小さな舞台で練習した通りのダンスを披露した。素人ばかりなので、華麗に踊ったというよりは、どうにか無難にこなした、という方が当たっているが、トラブルもなくまずまずの出来で終えることができた。

 終えるとメンバーはほっとした表情になる。私も思わず頬が緩んだ。ウィンナーワルツは音楽はゆったりとした雰囲気であるが、ステップはかなり速い。10分ほどで汗が大量に流れる。特に舞台では照明が当たっているので暑かったのであろう。

 着替え終わり区民センターを後にする頃には夕暮れがあたりを支配していた。暮れなずむ都心の街並みに多くの灯りが灯り始める。気温はちょうど良い感じで、時折吹く風は疲れた体をいたわるかのようであった。

 何の因果か社交ダンスに足を踏み入れてしまったが、「まあ、これもいいか・・・」そんな呑気な気分にさせてくれる夕暮れである。




※投稿されたコメントは管理人の承認後反映されます。

コメントを書く


名前
メールアドレス
コメント本文(1000文字まで)
URL




teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ