2014/9/29

3117:後目線  

 山伏峠を越えて下りに入った。すると相当差が開いたはずだと思っていたTさんのLOOK566がすぐ前に見えた。下りであるが、めいっぱいのスピードにはのっていなかった。

 「あれ、なんだかおかしな・・・」そう思いながら下りの途中でTさんをかわした。実はこの時Tさんは脚を攣っていた。

 下り終えて右に折れながら正丸峠の上りに場面は移転した。下りで少し体は回復していた。上り始めからハイペースでクランクを回した。

 Tさんの様子が少しおかしいとは思いながらも脚を攣っていたとは分からなかったので、きっとこの上りですぐに追いついてくるだろうと思っていた。

 上り始めるとやがて、バイクルプラザのチームジャージが見えた。先にスタートしたメンバー3名が一緒に峠道を上っていた。

 山伏峠を上りきるまでに先行メンバーを3名かわせたので、前を行く3名を一気にかわせれば、先行スタートしたメンバー全員に追いついたことになる。

 そのエメラルドグリーンのジャージに視線を固定し、引き上げてもらった。やはり前方に目標があると気持ちが楽になる。

 後ろからTさんが追いついてくるのではという後目線だけだと、焦って疲れが募るが、前に追いつくべき目標が設定されると、走りが俄然アグレッシブになるのである。

 心のなかで「良かった・・・」とつぶやいた。クランクを回すペースは落ちることはなくハイペースを保つことができた。徐々にその3名に近づいていった。

 そしてその右側を走り去った。「頑張ってください・・・」まだ声をかける余裕があった。右に一旦膨らんで走り、少ししてからまた道の左側に軌道を修正した。

 正丸峠の上りは終盤に入った。頂上が近づきつつあった。すると、私の右側をぐんとスピードを上げて抜き去るロードバイクが・・・「Tさんがやはり来たのか・・・」と一瞬思った。

 しかし、そのロードバイクはLOOK566ではなかった。さっき抜いた先行スタートしたメンバーの一人がラストスパートしたのであった。

 スパートするにはゴールまで少し距離があったが、そのスパートに反応して私もスピードを上げた。

 正丸峠の上り道は路面状況が悪い。タイヤを凹凸のある路面で少し跳ねさせながら、そのメンバーの右を再度すり抜けた。メンバーがスパートしてくれたので、その勢いを借りることができた。

 頂上が見えた。後方から追ってくる機影は見えなかったが、ダンシングに切り替えてスパートした。ゴールして峠の茶屋の前にORBEA ONIXを立てかけた。

 遅れてゴールしたTさんと話をした。山伏峠の頂上でふくらはぎを攣ったとのことであった。脚が攣ったまま下り、そして正丸峠を痛みに耐えて上り終えた。

 Tさんの脚が攣らなければ、追いつくことはできなかったであろう。あるいは正丸峠の上りの終盤でどうにか追いつき、かなりハードなバトルが勃発したであろうか・・・「ギリギリバトルがしたかった・・・」そういう気持ちが心の奥底にうっすらと沈殿した。

 その思いはすぐさまかなえられることとなった・・・帰りにもミニバトルが待ち構えていたのである。

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