2014/3/8

2913:運命  

 私の体は疲れ切っていた。確定申告業務が始まって約1ケ月、降り積もった疲労は背中の筋肉に大きな張りをもたらした。「学生の気持ち」を分かりたいと思ったわけではないが、まるで重いランドセルを背中に常に背負っているかのような気分である。

 さらに首周りの筋肉にもその悪影響は及び、KURE5-56を注入しないといけないかと思われるほど、関節がギシギシときしむ。

 あと1週間である。もう少しで終わる。そういう状況のなか、今日は2時半まで事務所で業務をこなした後、杉並区にある「Pro・Fit」へ向かった。

 VW POLOを降りて、私は転がりこむように「Pro・Fit」の施術室に入って行った。チューバホーンさんは私の体の具合を確かめながら「これはきてますね・・・相当疲れていますね・・・」と呟いた。

 1時間半の間、チューバホーンさんの施術は続いた。その間徐々に凝り固まった体はほどけていく。こんがらがってしまったステレオタイプのイヤホンを丁寧に解いていき、ようやく一本のすっきりとした形態にイヤホンが戻っていくときのように、やがて私の体はまっすぐに伸びていった。

 この時期に施術を受けたのは良かった。すっかりと体がリセットされた。来週は最後の追い込みの一週間となる。今年は期限が土日の関係で17日(月)までであるが、来週中にはすべての確定申告業務を完了したいところである。

 体がリセットされたところで、2階のリスニングルームに上がらせてもらった。TANNOY LANCASTERを聴かせてもらうためである。

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 この部屋は12畳ほどの広さ。昨年お邪魔した時には部屋の短辺にセッティングされていたLANCASTERは長辺側にリセットされていた。

 まずLAXMANのSACDプレーヤーにセットされたのはグレングールド。彼の名を一躍有名にしたバッハのゴルトベルグ変奏曲である。

 この曲は不眠に悩まされていたカイザーリング伯爵が、眠れぬ夜を過ごすためにバッハに依頼してできた曲である。伯爵お抱えのゴルドベルグという名のチェンバロ奏者が毎晩伯爵のために演奏したことからこの名が付いたと伝えられている。

 TANNOY LANCASTERからは清澄な滋味あふれるピアノの音が紡ぎだされる。広い空間の中で音楽は軽々と風のように広がる。気持ち良い空間が立体的に広がる。

 「プリアンプの真空管を数本新しものに最近変えたので、まだ少し音が硬いのですが・・・」とチューバホーンさんはおっしゃられていたが、ピアノの音にはちょうど良いのか、グールドの名演によりバッハの対位法はクリアに浮かび上がる。

 その後もシューベルトの歌曲、同じくシューベルトの交響曲、さらにマーラーの交響曲を聴いた。そして、アナログではベーム指揮ウィ―ンフィルの演奏によるベートーヴェンの交響曲第5番「運命」も聴かせてもらった。

 あまりにも有名な冒頭部・・・「運命はこのように扉を叩く」とベトーヴェンが語ったと伝えられている。

 このベームの演奏によるレコードは、チューバホーンさんが中学生の時、その心の扉をしっかりと叩いたようである。このレコードを音楽の授業の時に音楽室にあったオーディオ装置で聴いたことが、クラシックとオーディオへの関心を著しく高めたからである。このレコードはチューバホーンさんにとってまさに「運命」であったのかもしれない。

 TANNOY CHATSWORTHからQUADのESL989にスピーカーを替えて一時「TANNOY同盟」から脱退していた私もまた「TANNOY同盟」復帰することが決まった。その「同盟」での先輩であるチューバホーンさんにはこれからもいろいろお世話になりそうである。




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