2013/10/25

2780:赤  

 「坦々麺 杉山」のメニューはその店名が示す通り坦々麺のみである。結構辺鄙な場所にあるが、開店時間の11時半には平日でもすぐに満席になる。土日は必ず行列が出来る。

 頼むのは当然坦々麺。スープは赤く、見た目はとても辛そうに見えるが舌が悲鳴を上げるようなことはない。海老の出汁が効いていて、マイルドで深い味わいを堪能できる。海老は殻ごと焼かれたものがちょこっと乗っかっていて、香ばしい香りを漂わせている。麺は細麺で、そのコクのあるスープとよく絡む。

 お昼時には坦々麺に小ライスが付いてくる。麺を食べ終わったスープにご飯を入れて雑炊風に食べるとこれもまたよい。食べ終わった頃合いに杏仁豆腐が出される。これで口の中がさっぱりと涼やかになる。心憎い演出である。

 実に丁寧に吟味されて作られていることが分かる。人気が出るのも当然であろう。一度行った人はまた行きたくなる。そして人にも紹介したくなる。

 店の駐車場は11台分確保されているが、すぐに一杯になってしまう。駐車場に着いたのは11時20分であった。開店10分前である。既に9台分の駐車スペースは占有されてしまっていた。「皆出足が早いな・・・」そう思いながら、車をバックさせた。

 まだ暖簾はかかっていなかったが、中に入れてくれていた。カウンター席に座れた。店内はほぼ満席。四つあるテーブル席も全て埋まっている。

 メニューは一つなので、次々と順番に運ばれてくる。席について10分ほど待ったであろうか、ようやく私の前にも待望の坦々麺が運ばれてきた。

 「これ、これ・・・」思わず頬が緩む。カウンター席には一人客ばかりが座っている。皆黙々と一心に食べている。

 私もそれにならい無心で食べる。スープをれんげで口に運び、香ばしい海老を殻ごとガブリと噛む。麺をすする。至福の一時は静かであるがすばやく過ぎ去ってゆく。

 麺を完食した後、ご飯をスープに入れる。れんげで混ぜて、豪快に食べていく。これまた完食。お腹の中はきっと赤くなっているだろう。

 食べている時間は10分ほどであろうか・・・坦々麺はゆっくり食べる気にはなれない。「すぐさま食べるべき・・・時間をかけずに・・・」そんな風に自然に思ってしまう。何故であろうか・・・その色合いのせいであろうか・・・赤は人間の闘争本能のようなものを刺激するのかもしれない。

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