2013/5/22

2624:アイスコーヒー  

 「富士山、どうでした・・・日曜日に上るって、言われてましたよね・・・」

 Nさんは、昭和の森ゴルフ練習場のクラブハウスの脇にある休憩コーナーに向かう途中で、私に訊いた。

 「やっぱり、辛かったですね・・・途中までは快調だったんですけど、あと5キロというところで、急に脚が回らなくなって、失速してしまいました。ハンガーノックだったかもしれません。Nさんも本番は出られるんですよね。」

 私はゴルフバッグを脇に置いて、一つのテーブルに並んでいる椅子を引きながら言った。

 「ええ、チームで行く予定です。どうにか2時間を切ろうと思って・・・私のチームからは女性が3名出る予定なんです。その女性3名で今度の日曜日に事前走行してくる予定です。」

 「そうですか・・・先週の日曜日も、結構な数のローディが来ていましたよ。八王子のチームなんか、30名ぐらで来ていたんじゃないかな・・・そう言えば、女性だけ4名で来ているグループもありました。スバルラインの料金所のところで見かけました。」

 「寧々ちゃん」はアイスコーヒーの入った紙コップを両手で持ちながら、苦笑していた。

 「本当に好きですね・・・私には理解不能です・・・ヒルクライムって辛いだけですよね。」

 私は軽く微笑んだ。

 「そう、辛いだけです・・・延々と24キロも上り続けるのですから。ゆっくり上がるならまだしも、自分の体力の限界値付近で上り続けるのですから・・・辛いなんてもんじゃないですよ。何が楽しいんでしょうね・・・」

 「寧々ちゃん」は時折Nさんと一緒にロードバイクで走っているようであったが、ヒルクライムは大の苦手である。

 「また、近いうちに3人で走りますか・・・奥多摩湖なんかどうですか?あそこなら上りも厳しくないし・・・梅雨に入る前に一度行きましょう。」

 Nさんが提案した。

 「良いですね・・・天気が良ければ、奥多摩湖は綺麗ですから。」

 私が同調した。

 「上りはゆっくり上がって下さいよ・・・のんびりとね・・・」

 「寧々ちゃん」はそう釘を刺すのを忘れなかった。

 「富士山が終わった次の週にしますか?必死で上ったあとは、のんびりヒルクライム・・・何事もバランスが大切ですからね。」

 私は、「寧々ちゃん」がアイスコーヒーをゆっくりと口に運ぶ様をちらっと目にしながら言った。

 「寧々ちゃん」はアイスコーヒーにはガムシロとミルクを入れる。ホットコーヒーはブラックで飲むが、アイスはこっちの方が美味しい、と話していた。まずはガムシロのみを入れる、一旦かき混ぜる。そしてミルクとゆっくりと上に乗せていくような感じで注ぐ。それを混ぜないで飲む。いつもそうである。ちょっと不思議な癖である。いつかそうやって飲む理由を訊いてみよう・・・そんなことをぼんやり考えた。




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