2013/4/19

2591:大瀑布  

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 サントリーホールのカラヤン広場には滝のような仕組みになっている造形物がある。普段は白糸の滝のように細い水が下に向かって落ちている。

 しかし、時折その落ちてくる水の量が急激に増えることがある。普段は白糸の滝状態であるが、ナイアガラの大瀑布なみに全面的に水が落ちてくるのである。そのタイミングに出会うとちょっとしたスペクタル気分を味わえる。

 金曜日の夜、7時前にその入口付近に到着した時、ちょうどその大瀑布状態であった。それを脇目に見ながらサントリーホールの中へ入っていった。

 チケットに記載されている座席番号に従って2階席へ向かった。今日のコンサートのプログラムは、前半はシベリウス交響曲第4番。休憩を挟んで後半はシベリウス交響曲第2番。演奏はピエタリ・インキネン指揮日本フィルハーモニー交響楽団。

 ピエタリ・インキネンはフィンランド出身。シベリウスはフィンランドを代表する作曲家である。インキネンにとっても、最も大切な作曲であるに違いない。NAXOSレーベルからニュージーランド響を振ったシベリウスの交響曲全集もリリースしている。

 まずは第4番から。第4番は晦渋な作品である。演奏される機会は比較的少ない。確かにとっつきにくい作品である。しかし、繰り返し聴き、脳内に徐々に沁み込めせてゆくと独特の魅力を醸し出してゆく。

 インキネンと日本フィルの演奏は丁寧で実直である。派手さよりもしっとりとした落ち着き感で聴かせる。その音からは、土の香りがする、あるいは木々の・・・さらには木々の落ち葉が堆積し、微生物に分解され腐葉土となってゆく、その過程を連想させるような感じである。

 15分の休憩後、後半の第2番の演奏が始まった。第2番はシベリウスの交響曲の中で最も人気のある曲である。演奏される機会も一番多い。

 その冒頭部が始まって、どうしてこの曲の人気が高いのかすぐに納得される。特に第4番を聴いた後にこの第2番を聴くと、独特の解放感がある。気持がすっと高揚していくのが判る。

 清澄でいて有機的、印象的なメロディとリズム。聴衆を魅了し惹きつける要素が満載であり、しっかりした構成がその吸引力を決して低下させない。まさにダイソンの掃除機のような交響曲である。

 なかなか、良いコンサートであった。実は最近我が家ではシベリウスがブームなのである。昨年はイタリアン・バロックがブームであった。今年はシベリウスがブーム。ちょうどそのブームに合わせる形でサントリーホールでシベリウスを聴けた。どちらの交響曲もお気に入りの曲である。当然の帰結ながら、気分的には大瀑布状態で聴き終えた。




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