2012/3/28

2204:待ち合わせ  

 「そばきり すゞ木」には駐車場が2台分あるとのことを、予約した際に確認した。住宅街の一角、マンションの1階部分にひっそりとその店はある。

 その店に向かう道は結構細いものであることが予想されたので、私は、E350ではなく、VW POLOに乗って、待ち合わせに指定した食品スーパーの駐車場へ向かった。

 食品スーパーの屋上駐車場は空いていた。店内への入り口付近、いつもの場所に車を進めた。「寧々ちゃん」の黒いMitoはすでに、その個性的なエクステリアを昼の太陽の光に輝かせていた。その左隣に車をバックで駐車させた。

 パワーウィンドウのスイッチをかちっと音をさせて下に押すと、ウィンドウはゆっくりと全開した。春らしい柔らかい空気が入ってきた。今年の冬はしつこかったが、ようやく春にその座を明け渡そうとしているようであった。

 「寧々ちゃん」は小さくい手を振った。そして、車を降りて、リモコンキーで自分の車を施錠してから、私のPOLOの助手席に収まった。

 「まだ、新車の香りが残っていますね・・・どのくらい経ちますかこの車・・・」「寧々ちゃん」は穏やかな笑顔で訊いた。

 「8月の納車だから7ケ月ぐらいですか・・・」そう言われてみると、確かにまだかすかに新車の香りが残っている。心に新鮮な好奇心のようなものを起こさせる香りである。

 天気は良かった。穏やかに晴れ渡り、気温も春を感じさせるものであった。しかし、朝の天気予報では、夕方に強風を伴った夕立が降るかもしれない、と警告していた。

 「今日の夕方、一時的に雨が降ると天気予報は言ってましたが、今のところそんな感じはないですね・・・今日は暖かいですね・・・ここ数日寒かったですが、ようやく春が来たという感じです・・・」私は車の窓から空を見上げるようなしぐさをしながら彼女に話した。

 「そうそう、雷雨になるかもしれないって・・・でも、大丈夫そうな感じですよね・・・」彼女は助手席に座りながら、シートベルトを締めた。

 「じゃあ、行きますか・・・40分ほどで着くはずです。楽しみにしていてください・・・絶対のお勧めですから・・・」

 「taoさんが言うなら、大丈夫でしょう・・・いままではずれはありませんでしたから・・・」

 平日の昼間、食品スーパーの屋上駐車場には人影はほとんどなかった。時間は確かに動いているのであるが、その歩みは遅く、実際の時計の針の進み具合に数歩遅れているようであった。

 緩やかなスロープを下り、道路に出た。いくつかの信号を通過し、左折すると新青梅街道に出た。片側2車線の道路には車が数珠つなぎになって進んでいた。工場のラインのようなその流れに、二人の乗ったPOLOは接続された。時間の進み具合がすっとテンポアップした。




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