2012/1/27

2143:微熱  

 風邪は少々ぶり返してきていたようである。「寧々ちゃん」と一緒に「そば処 ごろう」でそばを食したが、味わいがいまひとつ鈍く感じられた。きっと風邪で鼻が詰まりがちであったことが大きかったのであろう。

 食事をしながら、話題は種々に及んだ。最近よく観るテレビドラマのことや、ゴルフクラブのこと、ロードバイクのことや子供のアルバイトのこと・・・それは脈絡なく綿々と続いた。

 日常生活の何気ない側面がくるくるとその面を変えて表を見せるように、話は核心をつくことなく展開した。

 そのうち話は車のことにたどりついた。

 「今度、ジュリエッタが出ましたよね・・・どうですか、Mitoの次の候補としてジュリエッタは・・・」

 「どうでしょう・・・Mitoと比べるとちょっと大きいですねよ・・・質感は従来のアルファロメオと比べるとかなり良くなっているようですが、それだけ普通になったような気がします・・・個性が薄れたような・・・」

 「そうかもしれませんね・・・標的をゴルフに定めて一から開発したそうですから・・・それだけにイタ車感は後退したのかもしれませんね・・・」

 「Mitoは確かに実用性という点で見劣りするところはあります。質感も上質とは言えないところもあります・・・でも、それでもかけがえのない味わいがあるんです・・・上手く言えませんけど・・・」

 「味わいですか・・・アルファのツボにはまるとすぐには抜けられないんでしょうね・・・味といえば、今日は風邪気味でいまひとつそばの味がよく分かりませんね・・・また少しぶり返してきたみたいです・・・」

 「これから忙しいんでしょう・・・」

 「そうですね、今日もこれから3社も回らなければ・・・これからが1年で1番の稼ぎ時ですからね・・・風邪気味程度では休めません・・・」

 「熱はあるんですか・・・」そう言うと「寧々ちゃん」はその右手を私の額に当てた。「微熱ですね・・・」彼女は軽く微笑みながらそう言った。

 「インフルエンザではないようです・・・でもこの軽くけだるい感じは、しんどくもあり、ちょっと心地よいところもありますね・・・しっかりとはがんばれないって感じです。思いっきりぐでっとしたいですね・・・」

 店にいたのはそれほど長い時間ではなかった・・・二人の会話はとりとめなく、当たり障りのないものに終始した。彼女の心の具合は表面上は平静で、穏やかに感じられた。彼女と会うのは今年初めてであった。今年もこんな風などっちつかずの感じに終始するのであろうか・・・まるで私の微熱状態のように・・・




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