2010/12/31

1753:二つのTANNOY  

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 時折、夜明け前に目が覚めることがある。大概はすぐにまた寝入ってしまうが、しばらく眠れないまま時間を過ごすこともある。時間は3時か4時ごろであろうか・・・

 暗いなか、目を閉じたままベッドでじっとしていると、遠くのほうから新聞配達のバイクの音が聞こえてくる。止まってはポストに新聞を入れ、また走る。一定の間隔でエンジン音が近づいてくる。

 わが家のポストにも新聞が入れられる音が聞こえる。毎日当然のことととして繰り返される何気ないことなのであるが、その音が何かしらスイッチが入れられる「カチッ」という音のように感じられる。

 普段はすっかり寝入っていて、気づくことのない音である。設定されたタイマーによって自動的に電源が入る電気器具のように、新聞がポストに投げ込まれる音によって各家庭に主電源が入るのではないかという気になってくる。

 今朝も夜明け前にその音を聞いた。暗いうちに目が覚めて、普段ならまた寝入るところなのであるが、今日は目が冴えてしまった。どうやら1階のリスニングルームに静かに佇むTANNOY CORNER LANCASTERの存在がそうさせているようであった。

 2日前の29日に横須賀市まで、TANNOY CORNER LANCASTERを聴きに行った。そのあまりに美しい姿かたちにすっかり心を奪われた。何枚かのレコードを聴かせてもらったが、その音の基本的な素養は、私の耳には幾分厳格さに溢れているような気がした。

 個人的な好みからするともう少し柔和な表情を見せてほしいところであるが、モニター・レッドを擁するCORNER LANCASTERは、高貴ではあるが硬い表情を崩すことはなかった。心は、右、左と落ち着くことなく揺れ動いていた。しかし、その揺れは時間が経過していくごとにある一定の方向へ収束していった。

 かけていただいたレコードは、4枚目になろうとしていた。店に着いてからすでに1時間半ほどの時間が経過していた。飲み干したコーヒーカップの底に少しばかりたまっていた黒い液体を眺めながら「年内に納品はできますか?」と店主に問いかけた。

 店主の表情はパッと明るくなり「今、運送屋に問い合わせてみます・・・」と奥にある事務所のほうへ足早に向かった。しばらくして店主が戻ってきた。「今晩でもいいですか・・・」「えっ、今晩ですか・・・ええっと・・・大丈夫です・・・」

 そんなこんなで、わが家の1階のリスニングルームにはTANNOY CORNER LANCASTERが佇んでいる。相変わらずまだ微笑むことなく、警戒心を解いてくれてはいないが、これから長い付き合いとなりそうである。

 以前はわが家のオーディオ事情を記事にする際には「我が家には二つのスピーカーがある」という書き出しで始まることが多かった。しかし、これからは「我が家には二つのTANNOYがある」という書き出しで始まることになるであろう。



2010/12/31  22:06

投稿者:tao

seiboさん、こんばんわ!

予想を裏切ってしまったようですね・・・しかもすでに我が家に到着しているとは・・・

CORNER LANCASTERの美しさは、ぐっと私の心を鷲掴みにするものがあります。そのいささか厳格に感じられる音も、その色合いや造形と一致しているともいえます。

2010/12/31  21:48

投稿者:seibo

やっぱり私には想像力が欠如しているようで、もうしっかりと部屋におさまっているとは夢にも思いませんでした。
写真を拝見すると実にしっくりと収まっていますね。まるでもう10年以上もそこに鎮座しているような落ち着いた雰囲気。
美しいスピーカーですね。やっぱりオーデイオも?見た目が第一ですよね!


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