2010/12/13

1735:珍々亭  

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 どこからどう見ても、うらさびれた中華料理屋にしか見えない。その店の外観からは、ここが有名な店であるというオーラは一切発せられていなかった。

 しかし、お昼時になるとこの店の前には行列ができるのが常である。さらに店内に入って驚くのは従業員の多さである。店内はカウンターが10席、4人掛けのテーブルが4個あるというごく平凡な広さである。

 普通このくらいの広さの場合、厨房に一人、配膳に一人か二人といった構成で営業していることが多い。しかし、この店は配膳に4名、厨房に3名もいるのである。お昼時は常に満席であり、店の前には行列が形成される。

 ここ「珍々亭」の売りは「油そば」である。今でこそ「油そば」は有名になり、チェーン店のラーメン屋さんにもメニューの一つとして組み込まれることが多くなったが、ここはその「油そば」の元祖的な存在の店である。

 なんと1958年からメニューに「油そば」があるという。しかもそのネーミングもこの店が発祥というのである。「油そば」は普通のラーメンと違ってスープがない。どんぶりの底こには濃い目のたれが入っている。そこにゆでたての太めの麺が入れられ、チャーシューやメンマ、ナルトといった一般的な具材が添えられる。

 上から見るとスープのないラーメンそのままである。食べる時には麺を回転させるようにして、たれとからませるのである。ここのたれは、まさに秘伝のたれなのであろう。麺とからめて食すると、なんともいえない美味しさなのである。

 この店のメニューには「油そば」以外にも、ラーメンやチャーシューメン、タンメンなどもあるが、来店される方の9割以上は「油そば」を注文する。

 最寄り駅は「武蔵境」であるが、駅からは遠く徒歩だと15分程度もかかる。近くに亜細亜大学があり、学生も多く来店する。

 私はいつも「油そば」の並、ねぎ盛りを注文する。並盛りは600円。オプションのねぎ盛りはは別途100円かかるので、合計700円である。

 これが癖になるのである。しょっちゅう食べるというわけではないが月に1,2度は足が向かう。「油そば」の味もさることながら、この店構えが何故か好きだ。まったくオーラを発することのない存在感。昭和の時代を色濃く残す店内の雰囲気。そんなものが油そばの味をより一層引き立たせるのである。




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