2009/6/26
1198:スーザン・ボイル

先日日本のテレビで紹介されていたイギリスのオーディション番組でスーザン・ボイルを観た。観たというよりも聴いたといったほうが適切であろうか?
YouTubeでも大人気となりもの凄いアクセスがあったようであるが、なんとなくその気持ちは分かる。その映像は感動的ですらあった。
見かけは全くさえない田舎のおばさんである。独身で猫と暮らし、現在は職もない。その顔立ちやスタイルはけっして美しいとはいえない。恵まれた人生を送っているとはいえない状況である。
審査員も観客もこの田舎者丸出しのおばさんに多少冷笑気味な視線を投げかけていた。しかし、歌が始まると雰囲気は一変する。審査員も観客も心から感動し、全員のスタンディング・オベーションに包まれて歌い終えるのである。
スーザン・ボイルが歌いだした瞬間、背筋にすっと感動の電流が走った。この一種の落差というかギャップは、大いに心地よいものである。その高度差が大きければ大きいほど、てこの原理のように作用するのか、感動も大きいようである。
スーザン・ボイルほどの高低差のあるギャップではないが、我が家のCHATSWORTHも見た目とその音は結構ギャップがある。
小さく、薄くそして軽い。見た目的な頼りなさ度は高得点である。そして、四角い。現代の多くのスピーカがすらっとしていて奥行きがあり平行面を極力持たない構造となっているのに対していかにも芸がない。
しかし、意外としっかりした音がするのである。それは詰まった感じではなく余裕感すら感じさせてくれる。そして、またまた意外と音場が広いのである。40年も前のTANNOYの四角いスピーカーが音場型というと、笑われてしまいそうであるが、十分にホール感が出る。
不思議であるが、そのギャップが何故か心地よい。QUAD ESLが音場型というのは、その構造からしてなんとなく納得がいくのであるが、四角いTANNOYでも広い音場が確保できるというのは結構新鮮である。