2021/1/20

5436:虎視眈々  

 ボルケーノエリアを走っていくと、やがて「Volcano KOM」の計測が始まった。距離は3.8kmである。平均斜度は3.2%。

 ガッツリ系のKOMではないので、計測タイムは無視して如何にして最後の最後でゴールアーチをトップで通過するかという一点に的を絞って走ることになる。

 序盤はそれほどパワーは上がらない。「まとめる」機能が働いているので、逃げは絶対に決まらないのがルールである。

 なので、脚を使いすぎないように気を使いながら前半をこなし、後半へ入った。さすがにパワーがじりじりと上がっていき、やがてスプリントへ向けての位置取り合戦になっていった。

 そして終盤になってスパートエリアに入った。マックスパワーを出してゴールを目指した。最後の最後で一騎打ちになったが、パワーを上げてもどうしても前を行くメンバーを抜けなかった。2番手でアーチを潜った。

 ここで前半終了である。「Volcano KOM」で脚を使い切った感じであった。脚を止めるとアバターも止まり、その左足を地面に着いた。

 私は疲れ切った。少々酸欠状態になったようで、気持ちが悪かった。ロードバイクを降りて、1階のダイニングへ行った。

 冷蔵庫を開けて、補給食を選んだ。固形物が少々厳しそうであったので、カップヨーグルトを2個取り出して、スプーンで口へ運んだ。

 少し長めに休息を取ってから、2階へ上がってまた再びLOOK 785 HUEZ RSに跨った。「後半はバトルなしの設定にするかな・・・」と思いながら、コースの後半へ向けてリスタートした。

 ボルケーノエリアを逆側へ一気に下った。ボルケーノエリアを抜けて、再びタイタンズグローブに前半とは逆方向から入っていった。

 このエリアには恐竜がいる。巨大な恐竜を脇目に見ながら走ってくと、二つある後半の「もがきポイント」の一つ目である「Titans Grove Rev. KOM」に差し掛かった。

 0.9kmと短い。「後半はバトルなしモードに切り替えるか・・・」とついさっきは思ったが、そのプランは却下された。

 虎視眈々と後方から前を窺っていて、終盤で一気に前に出た。一人のメンバーがすでにスパート態勢に入ったので、その背後で私もマックスパワー状態に移行した。

 そしてその背後について、ゴールであるアーチを目指した。どうにかこうにか脚が伸びた。ゴール直前で今度は前を行くメンバーをかわすことができた。

 「よしよしこの調子・・・最後もうまくいくといいが・・・」と思いながら走っていくと、今日のコースの残り距離も少なくなってきた。

 スマホの右上には選択したコースの残り距離が表示されている。その残り距離が10kmを切って一桁の数字が表示されるようになった。

 最後の「もがきポイント」は、「Zwift KOM Rev.」である。距離は2.5kmで平均斜度は1.8%なので、実質的にはスプリントポイントである。

 ここも「虎視眈々作戦」でいった。虎視眈々と前を窺いながら脚を温存させつつ前半を走った。しかし残り距離が少なくなってくるとさすがにパワーがどんどんと上がって300ワットほどになる。

 その負荷にしばし耐えながら、「ニトロボタン」を押すタイミングを計っていた。「ここで・・・!」というタイミングで「ニトロボタン」を押した。

 パワーの数値は瞬間的に500ワットを超える。脚が伸びた。最後の「もがきポイント」も征することができた。

 今日は、バーチャルゲーム的な展開が楽しいバーチャルチームライドであった。ここぞという時だけ頑張って、あとは脚をいかに温存させるかといった感じで、メリハリをつけて走った。

 リアルはリアルで楽しい。バーチャルもバーチャルでしか楽しめない要素があることは確かである。緊急事態宣言が解除されるまではバーチャルを楽しむことになりそうである。

2021/1/19

5435:KOMバトル  

クリックすると元のサイズで表示します

 幸先よく最初のスプリントポイントを征したので気をよくして、フエゴ砂漠を走り抜けていった。

 砂漠を過ぎると今度は「タイタンズグローブ」と呼ばれる森林地帯に入った。タイタンズグローブは、世界的に有名なセコイア国立公園のあるハイシエラからインスピレーションを得て作成されているとのことである。

 マンモスサイズの岩や巨大なセコイアは、ワトピアの他の地域とはまったく異なる景観をもっていて、古代の森林を思わせる。

 次なる「もがきポイント」は、そのタイタンズグローブのなかにある。短いKOMである「Titans Grove KOM」がそれで、距離は2.6kmである。

 計測開始が始まった。いきなりパワーがぐっと上がるわけではない。残り距離を確認しながらじわじわとパワーが上がっていく。

 そして、到着予想時間と計測が開始されてからの時間との差が縮まってくるにしたがって「臨戦態勢」に移行する。

 ゴール前になると、皆「マックスパワー」で駆ける。私は三番手から前を行くメンバーをかわそうとクランクをハイスピードで回し続けたが、一人をかわすのがやっとであった。

 バーチャルライドの楽しみは、このゲーム感覚である。実際に体を動かすので、いわゆる「e-sports」とは違うが、リアルとは違うバーチャルゲーム的な要素があるのである。

 「Titans Grove KOM」が終わるとしばらく下っていった。森林地帯を抜けると、次なるKOMが待ち構えていた。

 「Zwift KOM」である。距離は0.9kmなのでKOMというよりもスプリントポイントと言った方がいいかもしれない。

 短期決戦である。エンジンの回転数が上がるに従ってギアをチェンジしていって、「マックスパワー」状態にワープした。

 しかし、前を行く2名のメンバーが速い。その背後にへばりついたまま3着でアーチを潜った。「もがきポイント」を過ぎると脚を緩めて乱れた呼吸を整える。ここまで3回もがいたが、かなり脚にきていた。

 前半最後の難関は「Volcano KOM」である。3.8kmの距離がある。道はやがてボルケーノエリアに入っていった。

 道の脇を流れるオレンジ色の溶岩流が見える。ファンタジーと言えばファンタジーであるが、現実ではありえない光景である。

 スマホの画面はアスファルトの黒を除いて赤やオレンジ、黄色に染まった。その中をアバターは隊列を維持しながら走っていった。 

2021/1/18

5434:スプリントポイント  

 二度目の緊急事態宣言を受けて、「バーチャル」に切り替わったチームライドも2週目を迎えた。

 今回のコースは、Watopia内の「BIG FOOT HILLS」であった。フエゴ砂漠からスタートし、タイタンズグローブ、ヒリールート、ボルケーノ山を繋いでいく変化に富んだコースである。

 長い距離のKOMはなく、短い距離のKOMやスプリントポイントが随所に散りばめられているので、何回かは「もがき」が入ることになる。

 距離は68.6km、獲得標高は707mである。途中で一回休憩を入れる予定であった。

 スタート時間は8時半であるので、「リアル」のチームライドの時よりものんびりと日曜日の朝を過ごした。15分前になったので、準備に取りかかった。

 手早くサイクルウェアに着替えて、スマホでZwiftを立ち上げた。「MEET UPに参加」をクリックすると、アバターはスタート地点にワープして待機状態になった。

 さらにノートパソコンでZOOMを立ち上げて、アクセスした。カメラ位置を調整して完了である。

 「お早うございます・・・」とZOOM上でメンバーに挨拶した。スタート時間が迫ってくると、ZOOMの画面にもチームメンバー が次々に登場した。

 スタート時間の10秒前になると、スマホからカウントダウンの甲高い発信音が放たれた。そしてスタート・・・前回同様、一人のメンバーがZOOM上に画像が表示されていなかったが、Zwiftには、そのアバターがスタンバイしていたので、そのままスタートして、ゆっくりと走り出した。

 MEET UPを設定した際に、意図せずにそういう機能を付加したのか、画面上にはMEET UPに参加しているメンバーしか表示されなかった。

 なので、いつもよりも閑散とした感じの雰囲気の中をゆったりめのペースで走っていった。

 走って5分ほど経過した時点で、最初のスプリントポイントが不意に現れた。心の準備がない状態であったが、急いでクランクを回すペースを上げた。

 少し出遅れてしまったが、逆にそれが良かったのか、ゴール前、先行したメンバーが少し疲れてきたタイミングでマックスパワーが出せた。先行したメンバーをかわしてゴール。さい先良く一つ目のスプリントポイントを征した。

 マックスパワーを出すと、呼吸がひどく乱れる。心拍数も一時的ではあるが、ぐんと上がる。それを落ち着かせるために、ペースを落として、後方へ下がった。

 「まとめる」機能が働いているので、後方で脚を休めていても、グループから大きく遅れることはない。

2021/1/18

5433:フランコ・セルブリン  

 「Electa Amator」と言えば、その後継機種に当たる「Electa Amator V」が2019年3月に日本でも発売された。

 取り扱いはもちろんノアである。「Electa Amator V」は、ソナス・ファベール社の設立35周年を記念して、開発・発売された記念モデルである。「Electa Amator V」の価格はペアで130万円。専用スタンドが付属する。

 その「Electa Amator V」は、発売以来非常に人気が高く、このような時代でも販売が好調なようである。

 初代の「Electa Amator」も、発売されると非常に評判になり、日本で相当数が売れたようである。時代はバブル経済に沸いていた時代である。今よりもオーディオ市場もはるかに活気があったであろう。

 オリジナル、しかも初期型の「Electa Amator」を聴かせていただいた。まずはCDから・・・「前座ね・・・前座・・・」と前置きしながら、小暮さんは1枚のCDを選択した。

 やはり、ソナス・ファベールと言えばヴァイオリンである。五嶋みどりの「アンコール」が選択された。その1曲目と2曲目を聴いた。

 クライスラー「前奏曲とアレグロ」、サラサーテ「ハバネラ」と聴いて、実に感心した。なぜかしら調布市のイタリアンレストラン「ラ・マンチーナ (La Mancina)」の魚料理が思い起こされた。

 何かしら、才能あふれる、すっと枠を飛び越えた感のある音の質感である。平易な言葉で表せば、「明るく、開放的」ということになるのであろうが、その裏側には実に深みのある旨味成分が沈殿している感じであった。

 さらにもう一枚CDが選ばれた。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲であった。ソリストはルノー・カピュソン。

 「これはカピュソンのヴァイオリンの質感との相性が抜群・・・」と選曲の妙に唸った。第1楽章を聴いた。時間にして20分ほど。

 「なんだか・・・気持ちいいですね・・・まさに人生を楽しむスピーカーという感じですね・・・やはりイタリア人が作ったスピーカーですね・・・」私の率直な意見であった。

 続いて、アナログタイムへ移行した。「さらに良くなりますよ・・・」と前置きして、小暮さんが選んだのは、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲3番であった。

 ソリストはポール・マカノヴィツキー。協演はカール・リステンパルト指揮ザール室内管弦楽団である。

 モノラル盤である。神田神保町の銘盤屋さんなら、福沢諭吉が4,5人必要な貴重盤である。「良い選曲だな・・・」と、感心しながら、聴いた。

 古い録音なので音質は良くないが、素晴らしい演奏である。「音質なんて二の次だよな・・・」とオーディオマニア的にはどうなのかと思えるような気持に浸る。

 A面を通して聴いた。「充足感が半端ない・・・」という感じで、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲3番をすべて聴いた。

 最後に選択された1枚はブラームスのヴァイオリン協奏曲であった。ミシェル・オークレールのヴァイオリンである。オッテルロー指揮のウィーン管弦楽団との協演である。

 これもモノラルである。コンディションが良ければ、銘盤屋さんでは福沢諭吉が10人は必要な貴重盤である。

 「これは、全部聴きましょう・・・全部・・・A面もB面も・・・」という私のリクエストで全て聴かせてもらった。

  CDを聴くと、その音質の良さに精神が覚醒する。アナログを聴くと、音楽に引きこまれ夢見心地になる。 Electa Amatorは、その姿と言い、音と言い、実に良いスピーカーであった。

 故フランコ・セルブリンは才能あふれるスピーカー設計者であっただけでなく、芸術の良き理解者でもあったのであろう。Electa Amatorは「技術屋」の作った測定重視のスピーカーとは根本的に違う芸術性の高いスピーカーであった。

2021/1/17

5432:Electa Amator  

 道は空いていたので、思いのほか短時間で中野坂上に到着した。いつも停めるコインパーキングに入って、空いている車室に車を収めた。

 「オーディオショップ・グレン」は古いビルの4階にある。そのビルの1階には時折立ち寄る喫茶店「Mimizuku」がある。

 階段を上がって4階に達した。金属製のドアを3回ノックした。鈍く重い響きが広がった。「どうぞ・・・」という声がその扉の向こう側から聞こえてきた。

 中に入り、入り口から遠い側の壁際に視線をさっと走らせた。そこには専用のスタンドに乗せられた2ウェイの小型スピーカーがあった。

 「こうくるか・・・いや〜想像外だったな・・・」と、思った。視線の先にはFranco Serblinの世界デビュー作であるSonus faberのElecta Amatorがあった。

 「Electa Amatorですか・・・いや〜思いつきませんでしたね・・・」と私は呟きながら、リスニングポイントに置かれた黒い革製の3人掛けソファに座った。

 Electa Amatorは、凛とした佇まいであった。専用スタンドは大理石と木が使われその造形美はイタリアン・ルネッサンスの香りがする。

 本体も重厚で艶やかな木材と黒い革が上手に組み合わされて、工芸品的な美しさを醸しだしている。

 分類としては「ヴィンテージ」にもう入るのであろうか・・・確か1980年代の後半に発売されたスピーカーである。30年以上前の製品であるので、「ヴィンテージ」と評するまでには古くないかもしれないが、決して新しいとは言えない。

 目で見ているだけでも木の薫りが漂ってくるようなスピーカーである。イタリアの伝統的な魅力を前面に押し出したデザインと質感である。

 サランネットは外されていた。フロントバッフルの横幅ぎりぎりまでウーファーのユニットが設置されている。

 ドーム型のツイーターにはスリーポインテッドスターのような形のプロテクターが装着されている。見れば見るほど完璧なバランスによる造形のように見えてくる。

 「素晴らしコンディションの最初期型が手に入ったのでね・・・これを常設にしようと思ってね・・・」小暮さんはテーブルにコーヒーの入ったカップを置きながら言った。

 「設計者であるFranco SerblinがネーミングしたElecta Amatorとは『最上の友人』という意味があるとのころでね・・・これから長く付き合おうかと・・・」

 「いや〜これは良いものですね・・・」私は意味もなく何度かうなずきながらつぶやいた。専用スピーカースタンドのベース部分は大理石になっている。さらにその下に黒い木製と思われるボードが置かれていた。

 「これは初期型で硬質な高級木材ハカランダの無垢材を使い楽器の様な箱鳴りを意識したキャビネットなんだ・・・ハカランダ材はワシントン条約で取引禁止になったので、この素材を使っているのは初期型のみでね・・・それで初期型は人気あるんだ・・・さらに初期型はキャビネットの接合部が組み木の様になっていて手間が掛かっている。」

 どうやら、小暮さんは初期型のElecta Amatorをずっと探されたようである。それがついにかなったので、これは手放さずに、常設にされるようであった。きっとマニアの中には「譲ってくれ・・・」と申し出る人がいるであろうが、その申し出は断るつもりのようである。

2021/1/17

5431:常設スピーカー  

 「常設のスピーカーを入れたんですよ・・・スピーカーは棚卸資産で、すぐさま出て行ってしまうから、決まったものを一つ持っておこうと思いましてね・・・」

 「オーディオショップ・グレン」の小暮さんはそう話した。ショップでは古い時代のイギリスのスピーカーを主に扱っている。

 TANNOY、HARBETH、SPENDORなどのメーカーの30〜60年ほど前の製品が多く、スピーカーは訪れるたびに入れ替わる。

 その「オーディオショップ・グレン」に常設となる、つまり販売不可の扱いとなるスピーカーが店に入ったようである。

 となると随分思い入れがある製品ということになるであろう。「本命はTANNOYかな・・・もしかしたらモニターシルバーが搭載された抜群に良いコンディションのものが英国からもたらされたのか・・・」

 「しかし、そういうものは日本では恐ろしく高い価格で販売できるはず・・・となるとビジネスとしてやっている以上販売されるはず・・・そして利益を確保する・・・ということになるであろう・・・」スマホでショップのオーナーで唯一の従業員でもある小暮さんと会話しながらも、私の頭にばいろいろな想念が巡った。

 現在、スピーカー以外の「オーディオショップ・グレン」の常設機器は、レコードプレーヤーがROKSAN XERXES10、CDプレーヤーがNAGRA CDC、プリアンプがLEAK POINT ONE STEREO、パワーアンプがLEAK TL-10というラインナップである。

 そこに今回常設機器としてスピーカーが組み込まれたら、常設システムが完成する。最近は棚卸資産として入荷してきたスピーカーは結構間髪入れずに出て行ってしまうことが多くなったようで、ショップにスピーカーの在庫がないということが度々あったようである。

 「スピーカーの在庫がないと、やはり困るんでね・・・そこで常設スピーカーを入れることにしたんだ・・・なんだと思う・・・絶対当たらないよ・・・」と小暮さんは話す。

 「ということはTANNOYではないのか・・・まさか現行型のスピーカーとは考えにくいけど・・・もしかしてMAGICOだったりして・・・そんなことになったらさすがに驚くけど・・・」

 なぞかけのような話をしばししていたところ、私はしびれを切らしたようにつぶやいた。「じゃあ、今日これから伺いますよ・・・どうせ緊急事態宣言が出ていて、どこにも行く予定が入っていませんから・・・」

 最近は気温が日替わりで大きく変わる。一昨日は暖かく、昨日は寒かった。そして今日は暖かい。その陽気に誘われるような形で私は車に乗って、中野坂上に出かけた。

 BMW 523i TOURINGに乗って走っていると、車内は暖房が要らなかった。「昨日とは随分と違うな・・・まるで桜の季節ような暖かさだ・・・」と思いながら青梅街道を順調に走っていった。

2021/1/16

5430:浮島  

 昼食休憩のために与えられた時間は36分であった。あまりのんびりできるわけではない。2階のレストランに行って、さっそく注文した。

 私はマグロ丼を選択した。これにノンアルコールビールを合わせた。その味わいは穏やかで気持ちを和ませるものであった。

 レストランも感染対策が厳重に取られていた。テーブルが間引かれてゆったりと配置されているうえ、アクリル板が置かれていた。

 レストランの巨大なガラスの向こう側には最終18番ホールのグリーンが見えていた。その周囲はぐるっと池に囲まれていて、浮島のようになっている。その特徴的なグリーンを見ながら、「最後の最後で池には入れたくないな・・・」と思った。

 後半のINコースのスタート時間が近づいてきたので、テーブルの上に置かれた伝票にサインをして、クラブハウスの外に出た。

 乗用カートに乗り込んでINコースのスタートホールである10番に向かった。気温が随分と上がりぽかぽか陽気と言ってもいいくらいであった。

 「3月下旬の気温・・・」という天気予報はしっかりと当たった。上着がいらず、長袖のシャツで回ることができそうであった。

 INコースの出だしは503ヤードのロングホールである。青空に向かって放ったドライバーショットは、OUTの出だし同様大きく右にそれた。

 再びOBであった。OUTコース同様INコースでも出だしでいきなり躓いてしまった。このOBのためにトリプルボギーとなった。

 次の11番ホールはボギーでしのいだが、12番ホールはバンカーショットが1発で出なかったことが響いてダブルボギーであった。

 悪い流れであったが、13番のショートホールと続く14番のロングホールでパーを取って、かなり盛り返した。
 
 その後はボギーでしのぎ続けて最終18番ホールに達した。390ヤードのミドルホールである。ドライバーショットは当たりが良かった。

 やや右方向へ向かったボールは、幾つか並んだバンカー方向へ飛んでいった。「バンカーに入ったかな・・・」そう思いながら、暖かい空気のなかフェアウェイを歩いて行った。

 ボールはしっかりとバンカーにつかまっていた。残り距離は150ヤード。グリーンの周囲は池がぐるっと囲っていた。

 クリーンにボールを捉えれば十分に届く距離である。6番アイアンを短めに握って放った第2打は、引っかかった。

 ボールは左に曲がり、グリーンの左の池にダイレクトに突っ込んだ。水しぶきが勢いよく上がった。

 「あら〜・・・」と一声叫んだ。最終ホールは池ポチャのためダブルボギーであった。後半のINコースは前半と同じ「47」であった。トータルでは「94」である。

 こうして、今年の「打ち初め」は終わった。OUTでもINでも出だしでOBという展開であったが、どうにか持ちこたえて100を打つことなく終われたので、良しとすべきであろうか・・・

クリックすると元のサイズで表示します

2021/1/15

5429:初打ち  

 「今日は3月下旬並みの暖かさになるでしょう・・・」と朝の天気予報は伝えていた。しかし、朝の6時半に車に乗り込んだ時の気温は氷点下であった。

 「本当に暖かくなるのであろうか・・・」と思いながら、車のエンジンスタートボタンを押した。2.0Lの直列4気筒エンジンは朝の寒さにぶるっと震えるように目覚めた。

 今日は今年初のゴルフの予定が入っていた。場所は「清澄ゴルフ倶楽部」。関越道の東松山インターから10分ほどで着く。

 スタート時間は8時24分。6時半に家を出れば、7時半ごろにはゴルフ場に着く予定であった。まだ道も比較的空いている時間帯である。

 入間インターから圏央道に乗って、その後鶴ヶ島ジャンクションを左に折れて関越道を走った。高速道路はトラックなどの仕事系車両が多かったが、流れが滞ることはなかった。

 予定通りゴルフ場についた。スタートまで時間があったので、本来であれば練習場で30球ほど打つべきであったが、まだまだ寒かったので、2階のレストランで一緒に回るメンバーとホットコーヒーを飲んでまったりとした。

 スタート時間の10分前になったので、OUTコースへ受かった。乗用カートに乗り込んで1番ホールへ向かった。

 8時24分では、まだ気温は2度ほどしかなかった。「昼頃には暖かくなるようだけど・・・まだまだ寒いね・・・」と、キャディさんと話した。

 風はなかった。この気温で風があると、ガタガタと震えることになったであろう。ゴルフ場からサービスで受け取ったホッカイロを上着のポケットに入れて手を暖めた。

 1番ホールのティーグランドに立って素振りを何度か繰り返した。そして朝一のティーショットを放った。

 そのボールは大きく右にそれた。林の中にボールは消えた。初っ端からOBであった。出だしの1番はトリプルボギーであった。

 今年の初打ち、その第1打がOB・・・なんだか2021年の運勢を暗示しているような気がして、結構がっかりした。

 しかし、その後のホールでは気を取り直して、2番ショートホール、3番ロングホールそして4番ミドルホールとボギーを取り続けた。

 5番は379ヤードのミドルホール。ティーショートは当たりが悪く距離は出なかった。まだグリーンまで190ヤードもある。グリーンの周りはガードバンカーがしっかりとガードしていた。

 フェアウェイウッドで打ったボールはそのしかりとガードしていたバンカーにつかまった。「ゴルフ場設計者の思うつぼだな・・・」と思いながら、バンカーまで歩いて行ってバンカーショットを放った。期待していなかったがそのボールはふわっと上がって、ピンに向かって転がった。カップのすぐ脇を通り抜けて1.5メートルほど先で止まった。

 「これを入れたらパーか・・・」そう思いながら放ったパットはまっすぐにカップに向かっていった。しかしその直前で少し右にそれてカップの周囲をくるっと回った。ボールはカップのすぐ近くで止まった。このホールもボギーであった。

 その後も6番、7番、8番もボギーであった。そして最終9番ホール。516ヤードのロングホールである。ティーショット、セカンドショット、サードショット・・・珍しく三つともミスがなかった。

 「パーオンしたから、今度こそ・・・」と慎重にファーストパットすると、1.5メートルほどショートした。「嫌な予感が・・・」

 短いパーパットは、またもやカップをなめて、すぐそばで止まった。「今日はこういう日か・・・」と天を仰いだ。

 結局、前半のOUTコースは出だしがトリプリボギーで、その後の8ホールは全てボギーで終えた。「あの二つの短いパーパットが入っていれば、45だったのに・・・」と「たられば」を呟きながらクラブハウスへ向かった。

 OUTコースの後半からは、気温もどんどんと上がって、前半を終える頃には「今日は随分と暖かいね・・・」とキャディさんと話すようになっていた。

クリックすると元のサイズで表示します

2021/1/14

5428:オールトラック  

 ヨーロッパでは8代目にモデルチェンジされたフォルクスワーゲン ゴルフは、日本でも今年の春頃から販売が開始される予定である。

 ゴルフの本流は5ドアハッチバックであるが、その派生モデルであるヴァリアント(ステーションワゴン)ももちろん販売され、さらに、ヴァリアントの車高をちょっと上げて樹脂製クラディングを装着した「オールトラック」と呼ばれるSUVの味付けが加えられたモデルも販売される予定である。

 インターネット上では「オールトラック」の写真も見ることができる。フロントフェイスは当然のことながら5ドアハッチバックモデルとほぼ同じである。

クリックすると元のサイズで表示します

 このフロントフェイスについて、フォルクスワーゲン・ファンの評価は分かれるような気がする。

 賛否の比率は「50:50」くらいであろうか・・・見方によってはちょっととらえどころがない、あるいは表情が曖昧であるという批判的な意見があってもおかしくない造形である。ゴルフ7の方が簡潔で分かりやすかったとも言えるであろう。

 個人的にはこのゴルフ8のフロントフェイスについては「賛」の方に1票を投じたいと思っている。このちょっと屈折したような雰囲気が好きなのである。

 全体の造形やリアのデザインは、フォルクスワーゲンそのもので、独特の清潔感がある。いかにもドイツ車らしい雰囲気がある。

 ゴルフ8のインテリアは一気に新しい世代に移行したという感を受ける。液晶パネルは大きく鮮明で質感も高い。

 それ以外で目を引くのが、ATのシフトノブである。シフトノブというと手のひらで包み込んで前後左右に動かすという先入観があるが、そういった先入観を根本から打ち崩すような造形をしている。

 とても小さく、スイッチのような造形である。手のひらで包み込むことは物理的に難しく、人差し指、中指そして親指の3本の指でつまんで前後に動かすという感じである。

 それはかなり「お上品」な操作になる。「それってどうなんだろう・・・」と最初のうちは違和感を覚えるかも知れないが、サイドブレーキが古くは左手で握ってぎゅっと持ち上げていたのが、今や指1本で軽く操作するようになったように、ATシフトも指先でつまんで軽く操作するのが当たり前になるのであろう。

クリックすると元のサイズで表示します

 日本で販売が開始されたら、やはり実車を見て、試乗もしてみたいものである。5シリーズの次なる車もステーションワゴンになる可能性が高いが、SUV風の味付けも加味された「オールトラック」は、流行りもちょっと取り入れているという点において魅力度は高い。

2021/1/13

5427:バーチャルチームライド  

 Epic KOMのゴールを示すアーチが見えてきた。それが視界に入ってくると、「勇気百倍」状態になって、パワーを一気に上げた。

 400ワット以上のパワーにまで上げたが、皆も同じように「顔が新しくなったアンパンマン」のようにしゃかりきにクランクを回しているので、なかなか追い抜けない。終盤の隊列状態をキープしながらアーチの下を潜り抜けた。

 Epic KOMを終了して脚を緩めた。汗が凄いことになっていたので、タオルで汗をぬぐいながら、クランクをゆっくりと回し続けた。

 この先、ラジオタワーまで上らないといけない。結構な急斜面である。Epic KOMで脚を結構使ったので、この斜面は軽めの負荷でクランクを回し続けた。

 周囲が雪で真っ白な景色のなか空に向かってそびえるラジオタワーの姿を眺めながら、走っていき、ようやく今日のコースの最高到達地点に達した。

 頂点まで達すると今度は下りである。ラジオタワーの周囲をクルっと回って、下り始めた。この下りでは「100km/h超え」にチャレンジすることもある。

 そのためにはいくつかの条件が必要とのことで、ロードバイクがエアロタイプであること、アイテムとしてエアロを持っていること、瞬間最大出力を600ワット以上出すことなどをクリアするとある特定の下りエリアでは、瞬間最高スピードが100km/hに達するとのことである。

 しかし、私が選択したロードバイクはSpecialized『S-Works Tarmac』である。山岳コース向けの軽量タイプである。100km/hチャレンジはまたの機会にすることにした。

 勢いよく下っていくと途中2度3度と短い上り返しが挟まる。スマートトレーナーは斜度に応じて機敏に反応する。そこでは急に重くなったペダルを「よっこいしょ・・・」という感じで回して乗り越えた。

 長い下りを終えるとあとは平坦のみである。平坦路では皆リラックスして走り、会話を楽しむ。ZOOMの良いところは走りながらもコミュニケーションが気軽に取れるところである。

 途中「Watopia Sprint」があったが、皆スルーした。「あれっ・・・スプリントしないんだ・・・」と気が抜けたが、最後の最後でゴール前スプリントが行われた。

 今日は久しぶりのバーチャルチームライドであったので、短めのコースを選択した。そのため、休憩なしで走り終えた。

 この週末は寒波が再び到来していた。外は真冬の寒さであるが、この部屋の中は自分自身の体の熱が充満しているかのようであった。汗はとめどなく流れた。 



teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ