2021/4/23

5531:リリー・クラウス  

 神田神保町にあるクラシック専門の中古レコード屋から出たのは午後5時を回っていた。手には一枚のレコードが入った袋があった。

 購入したのはリーリー・クラウスのピアノによるモーツァルトのピアノソナタ13番と16番その他が収録されたレコードである。
 
 レーベルはディスコフィル・フランセ。1950年代に録音されたもので、モノラルである。1950年代のフランス盤は、どこか高貴な響きがある。このレコードにも間違いなくその高貴な輝きがしっかりと含まれているはずであった。

 その後私は自宅へは向かわずに、中野坂上に向かった。中野坂上は、新宿まで地下鉄で数分という便利な立地にあるが、静かで暮らしやすい環境に恵まれている。

 青梅街道と山手通りが交差する場所にあるため、大きな道路沿いは交通量も多くにぎやかであるが、幹線道路から1本中にはいると、落ち着いた雰囲気に変わる。

 地下鉄の出口を出て少し歩いた。今日の昼間は25度を超えるような気温になり暑かったが、夕方になると上着を着ていても暑さはあまり感じなかった。

 「オーディオショップ・グレン」の小暮さんからメールが来たのは先週のことである。「もう一つソナスファベールの代表的なスピーカーが入ったから聴きに来ませんか・・・?」という内容であった。

 「オーディオショップ・グレン」の常設スピーカーは、ソナスファベールの「エレクタアマトール」である。

 このスピーカーは1988年に発売された。ラテン語で「選びぬかれた友人」と名づけられた小型2ウェイスピーカーである。

 エンクロージャーには無垢のブラジリアンウッドが採用されていて、フロントバッフルには本革が貼られている。その造形はイタリアらしい美しさに溢れている。

 大理石や木材を使用した専用スピーカースタンドにセットされた姿からは、創業者であるフランコ・セルブリンの情熱がひしひしと感じられる。

 その「エレクタアマトール」以外にもう1セット、ソナスファベールのスピーカーが入庫したようである。

 ふと頭に浮かんだのは、「ガルネリオマージュ」である。「ガルネリオマージュ」は1993年から2005年まで製造された。

 その後に続く「オマージュ・シリーズ」の先駆けとなったモデルである。キャビネットの表面に塗られるニスにも徹底的に拘り、リュート形状のキャビネットなど音響的にも練りに練られたものであった。

 ただし、そのニスは時間の経過とともに白濁してしまうという欠点があったようで、後期型では別のものに変えられたようである。

 「あるいは『アマティオマージュ』であろうか・・・」とも思いながら、目的地である白いビルに到着した。

 このビルの1階には週に1,2回は訪れる喫茶店「Mimizuku」がある。今日は小さな窓から店内の様子を少し窺っただけで店内には入らずに、階段を使って「オーディオショップ・グレン」が入っている4階に登っていった。

2021/4/22

5530:痕跡  

 両脚の太腿に筋肉が攣る前兆の痛みを抱えながら、風張峠の頂上を目指していた。昨年と今年はコロナ禍の影響で「実走」の時間が例年よりもかなり少ない。そのために筋肉が衰退しているのであろうか・・・あるいは単に年齢が加算されたことによる衰えか・・・そんなことを疲労のためあまり機能していない脳の内部で巡らせながら、パワーの数値を落として上り続けた。

 サイコンに表示される「10秒平均パワー」の数値は170〜190の範囲でその数字を定期的に変えた。

 ようやく月夜見(つきよみ)第一駐車場が見えてきた。この駐車場は、奥多摩周遊道路でもっとも眺めの良い駐車場で、奥多摩湖や山々の雄大な景色が楽しめる。

 月夜見第一駐車場の前を通り過ぎて右に大きくカーブしていった。ここから先は平坦路や短い下りも挟まる。

 下りは痛みのある脚にとってはありがたい。断続的に続くアップダウンをやり過ごしていくと、ようやくゴールである道標が道に左側に見えてきた。

 どうにかこうにか攣ることなく風張峠の頂上に達することができた。LOOK 785 HUEZ RSをその道標の前に立てかけて、スマホで写真を撮った。

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 道標の向かい側には風張峠駐車場がある。ここのは標高1,146mで、奥多摩周遊道路の最高地点であると同時に都道の最高地点でもあるとのこと。

 風張峠駐車場にはサイクルラックが設置してある。そこにロードバイクをかけて座り込み、痛みのまだ残る太腿をしばしの時間マッサージした。

 峠の向こう側は相当な強さの風が吹いているようで、その音が不気味に響き渡っていた。この駐車場は山の木々に守られていて風は吹きこんでいなかった。

 サイコンで「山のふるさと村」との分岐点から、風張峠の道標までのラップ計測の結果を確認した。

 距離は9.27kmでタイムは39分12秒。平均パワーは204ワットであった。次にこのヒルクライムコースを走る機会があったなら、平均パワー220ワットを再度目指したい。

 全員が上り終えたところで記念撮影を済ませた。そして「都民の森」の方へ向かって下り始めた。「都民の森」の売店は休業中とのことであるので、「都民の森」には立ち寄らずに檜原村営下元郷公衆トイレまで一気に下る予定であった。

 風張峠の向こう側はやはり風が強かった。下りの途中で横風でハンドルが取られそうになることがあり、何度かヒヤッとした。

 長い下りを走り切った。総ヒノキ造りの公衆トイレで有名になった檜原村営下元郷公衆トイレの前にはサイクルラックがある。そのサイクルラックにロードバイクをかけたが、強風によってサイクルラックにかけられたロードバイクがゆらゆらと揺れた。

 トイレ休憩後、下り基調の道を走った。檜原街道、睦橋通りを予定通り走っていき、拝島駅前のファミリーマートで昼食休憩をした。

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 昼食には「かき揚げそば」を選択した。ここまでくると後は距離も短く平坦路だけであるので安心である。

 「マグオンを飲んでいたおかげで攣らなかったけど、飲んでいなかったら攣っていただろうな・・・筋肉が攣った時の痛みはやはり経験したくないものである・・・」そんなことを思いながら暖かいそばをすすった。

 その後順調に帰路をこなして、自宅に辿り着いた。走行距離は136kmであった。両脚には痛みの痕跡がまだ残っていた。「風呂に入って、マッサージしよう・・・」と思いながら自宅の中にロードバイクとともに入っていった。

2021/4/21

5529:狸  

 奥多摩湖を眺めながら焼き芋を食し、まったりとした休息時間をすごした後、奥多摩湖第2駐車場へ向けてゆっくりと走り出した。

 第2駐車場は広く、公衆トイレもある。ここでトイレを済ませてからいよいよ風張峠を目指すことになった。

 第2駐車場は満車状態であった。ここには第3日曜日に「旧車マニア」が集まり、自慢の車を見せ合っている。

 「旧車」は1960年代、1970年代の日本製の古い車である。確かにこの時代の車には、懐かしい「夢」が濃厚に詰まっているような気がする。

 風張峠がある奥多摩周遊道路に向けて6両編成のトレインは順調に進んだ。奥多摩湖は縦に長い形状をしている。その貯水湖の縁に沿いながら続く道は景色が素晴らしい。

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 我々の隊列を2台の「ケンメリ」が通り過ぎていった。「ケンメリ」は、1972年に発売された4代目スカイラインである。

 テレビCMなどで「ケンとメリーのスカイライン」のキャッチコピーが使われたため「ケンメリ」と呼ばれて、一世を風靡した。

 いくつかの色とりどりの橋を渡っていくと、奥多摩周遊道路のスタート地点に達した。ここから風張峠の頂上までは13kmほど。ここから一気に負荷を上げることはなく、4q程上り基調の道を進んで、「山のふるさと村」へ向かう道との分岐点のT字路交差点を通り過ぎてから負荷を上げることが多い。

 分岐の交差点の信号機は赤であった。一旦止まって青になってからリスタートした。ここから負荷を上げた。「平均パワーは220ワット程で・・・」と思っていた。

 風張峠のヒルクライムコースは、距離が9kmほどで斜度もしっかりとしている。ここまですでに50kmほどの距離を走ってきているので脚の疲労度も高めである。

 「序盤から無理をすると後半で辛い目にあうから・・・無理をしないように・・・」と思いながら、230ワットの平均パワーで前半の上りを走っていった。

 「前半5kmまでは230ワット平均で走ろう・・・後半は疲れからパワーが落ちるし、月夜見第1駐車場を過ぎると平坦や下りも混ざるようになり、パワーの数値が下がるので、結果として平均で220ワットぐらいになるであろう・・・」との予測であった。

 風張峠のヒルクライムコースは道幅が広く、舗装も綺麗に整備されている。そういう点では走りやすいのであるが、斜度の変化もまた景色の変化も少ない。ある意味単調なコースである。

 斜度は7〜8%が延々と続く。230ワットの平均パワーで前半を走っていった。前半はほぼ予定通りであった。

 異変が出始めたのは、5kmを過ぎたあたりであった。右脚の太腿に痛みの塊が出始めた。「まずいな・・・太腿の筋肉が攣りそうだ・・・」と思った。それは明らかに脚の筋肉が攣る前兆の痛みであった。

 「ここで攣ったら大変だ・・・まだ4km以上上らないといけない・・・」痛みが出始めると一気に弱気になる。パワーはじりじりと下がり始めた。

 200ワット切ったり切らなかったりといった負荷まで下げてさらに2kmほど走っていくと、痛みが出始めた右脚をかばったためか、今度は左脚の太腿に同様の痛みが出始めてしまった。

 「まずい・・・両脚が同時に攣ったら、走行不能になる・・・」と冷や汗が流れ始めた。疲労と両脚の太腿の痛みでパワーは200ワットを下回る低い数値で推移するようになった

 まだゴールである風張峠の頂上までは2km以上あった。「平均パワー220ワットで走り切ろう・・・」という思惑は、風張峠の厳しさの前に「取らぬ狸のなんとか・・・」にドロンと化けてしまった。

2021/4/20

5528:強風  

 風張峠には奥多摩湖を経由して向かうことになる。まずは奥多摩湖方面へ向けて走り出した。多摩湖サイクリングロードを抜けて、青梅街道を走った。

 青梅街道を西へ向かい、東大和市、武蔵村山市、瑞穂町を抜けていった。八高線の踏切を渡ると、岩蔵街道に向かう交差点に達した。

 その交差点を右折して岩蔵街道を走った。ロードバイクで走っているとうっすらと汗ばむくらいの気候で、今が一番ロングライドには向いている季節かもしれない。

 圏央道の青梅インターを通り過ぎて、「今井馬場崎」の交差点を左折した。青梅方面へ向かって走っていくと、やがて道はJR青梅線に沿って続く商店街の中に入っていった。

 ここは昭和レトロの雰囲気を持った商店街である。その商店街を抜けると、人家がまばらになってくる。

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 時折、並行して走るJR青梅線の線路を走る電車の走行音を耳にしながら走っていくと、いつも休憩するセブンイレブンが道に左側に見えてきた。6台のロードバイクはその駐車場に向けて流れていった。

 駐車場にはオートバイが沢山停まっていた。中高年のおじさんたちがグルーブでツーリングに行くようである。ロードバイクに最適の気候はオートバイのツーリングにも最適である。

 フェンスにロードバイクを立てかけて店内に入った。補給食にはツナマヨのおにぎりと草餅を選択した。

 今日は風が強かった。フェンスに立てかけてあったロードバイクも2台が倒れてしまっていた。春は時折強い風が吹く。今日は強い風に注意する必要があるようであった。

 補給食でガソリンタンクを満たしてから、リスタートした。さらに西へ向かった。「将門」の交差点に達して、その交差点を左折した。

 道を下っていくと城山トンネルが見えてきた。その大きな入り口にトレインは吸い込まれて行って、涼しい空気で満たされているトンネルの中を走っていった。

 城山トンネルを潜り抜けてしばし走ると次は愛宕トンネルである。この先も幾つかのトンネルが断続的に続く。

 道は緩やかに上っていく。奥多摩湖を堰き止めている小河内ダムがゴールである時には高速バトルに私も参戦するが、今日はその先に風張峠が控えているので、無理のない範囲での負荷で走った。

 小河内ダムに達する道の最後のトンネルである「中山トンネル」を抜けると、小河内ダムの余水吐の設備が視界に入ってくる。大雨で貯水量が増え過ぎた場合には、ここからダムの水が放流される。

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 奥多摩湖に着いた。焼き芋屋の軽トラックが道の脇停まっていた。2本買ってそれぞれ3等分して6名で食した。深みのある甘さでとても美味しかった。

 奥多摩湖の向こう側に見える山の様相は「春の山」であった。奥多摩湖の湖面は強風で波立っていた。その波立った湖面が陽光をきらきらと反射していた。

2021/4/19

5527:新緑  

 第三日曜日は普段のロングライドよりも長めの距離を走る。先週の段階で今日の目的地は決まっていた。奥多摩周遊道路の頂上である「風張峠」である。

 往復距離は140kmほど。往路は奥多摩湖経由で風張峠まで上り、帰路では都民の森の方へ降りていき、檜原村を通って帰ってくるコースである。

 昨晩は相当に強い雨が降っていたが、今朝になると陽が出ていた。路面は多少荒れているかもしれないが、雨の心配はないようであった。

 朝の7時になったので、LOOK785 HUEZ RSに跨って自宅を後にした。サイクルウェアは先週と同じである。走り始めて風を体に受けた。先週ほどには肌寒く感じなかった。

 「武蔵大和駅西」の交差点まで下っていって、今日も多摩湖サイクリングロードではなく一般道を通るルートを選択した。

 路面は所々に水たまりがあったが、走行にはそれほど支障はなかった。幾つかの交差点を越えていき、東村山中央公園の前を通り過ぎていった。

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 緑あふれるこの公園は市民の憩いの場になっているようで、ゆったりとウォーキングをしたり犬の散歩をしている人がいた。

 東村山市から小平市に入った。西武多摩湖線の線路に沿って南下していって、青梅街道の手前で西武多摩湖線の踏切を越えて東に向かった。

 「あじさいの小径」を通り過ぎたところで「多摩湖サイクリングロード」に入った。木々は新緑の季節を迎えていた。

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 その木々が演出する木漏れ日の道を走っていって、集合場所であるバイクルプラザに向かった。

 今日の参加者は6名であった。そのロードバイクの内訳はORBEAが4台、COLNAGOが1台、そしてLOOKが1台であった。

 目的地は予定通り「風張峠」に決まった。6台のロードバイクを隊列を形成して走り始めた。まずは多摩湖サイクリングロードを東から西へ向かった。

2021/4/18

5526:見積書  

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 新しいSクラスの試乗車に乗り込んだ。「やはり新しい・・・」とそのインテリアの斬新さが肌で感じられた。

 センターコンソールには12.8インチの有機ELディスプレイが鎮座する。「でかいな・・・」そのディスプレイのサイズにまず驚いた。

 極力ボタンやダイヤルでの操作を排し、スマホやタブレット同様に画面に軽く触れることにより操作するものになっていて、とてもすっきりとしていている。

 実際にはスイッチやダイヤルの方が操作しやすいであろうと思われるが、外観はやはり近未来的でありクールな質感である。

 また昼間だったのでそれほどの派手さは感じられなかったが、過剰と思えるほどのアンビエントライトが輝いていて、ちょっと違う世界観を演出していた。

 エンジンを始動した。事前に予想していたが耳を澄ましても車内にいる限りディーゼルエンジンを思わせる音がしない。

 「やはり最新のディーゼルエンジンは違うな・・・遠くで静かに響いている感じだ・・・」と感心した。

 ゆっくりと走り出して甲州街道に出た。中低速で走っていった。その乗り心地は実に柔らかくラグジュアリーである。

 ほとんどショックというものを感じない。かすかなコツコツ感がフィードバックとしてステアリングホイールを介して手のひらに伝わることはあるが、不快な要素は見事なまでに排除されている。

 新型Sクラスは全車エアサスが標準装備となった。さらに4MATIC(四輪駆動)も全車標準である。

 そのエアサスであるが、乗り心地のスイートスポットが中低速域に合わせてあるのであろうかと思えるほどに、一般道を走っていて快適である。

 短い試乗タイムでは高速道路での試乗はかなわなかったが、きっと高速道路でも極上の乗り味を提供してくれるのであろう。

 このセグメントでは、BMW 7シリーズ、そしてAUDIのA8がライバルではあるが、新型Sクラスは、ライバルよりも半馬身ほど前に出ている感じである。

 約30分間の試乗時間はゆったりと過ぎていった。ディーラーに戻って、見積書をもらった。幾つかのオプションも加わって、その最終価格は1,500万円ほどになった。

 「素晴らしく良い車だけど・・・サイズの大きさと価格の高さは・・・とても大きな障壁だな・・・」と感じながら、メルセデスベンツ府中を後にした。

2021/4/17

5525:スリーサイズ  

 試乗車であるS400dに搭載されているエンジンは3.0Lのクリーンディーゼルエンジンである。Mercedes-Benzのクリーンディーゼルエンジンには、以前乗ったことがある。

 現在乗っているBMW 523iの前には、Mercedes-Benz E350 Bluetechのステーションワゴンに乗っていた。その車がやはり3.0Lのクリーンディーゼルエンジンを搭載していたのである。

 ただし、その時のエンジンは世代としてはおそらく2世代ほど前のディーゼルエンジンであったはず。E350 Bluetechでは車内に座っていても、ディーゼルエンジンと分かる音が耳にしっかりと届いていた。

 現在のディーゼルエンジンは改良が進み音や振動面でのネガが相当解消されているはずであり、また最新Sクラスの遮音性能の高さからすると、エンジンの質感には隔世の感が得られるのかもしれない、と期待していた。

 駐車場に停まっている試乗車を目にしてまず思ったことは「でかい・・・」という単純なものであった。オラオラ感は従来型よりもかなり減って、スマートなエクステリアになったが、そのサイズは「これは、ちょっと持て余すだろうな・・・」と思えるほどであった。

 実はSクラスには遠い昔5年ほど乗った。開発コードが「W220」であったSクラスであり、この新型の3世代前のモデルである。

 その「W220」のサイズは、全長×全幅×全高=5,045×1,855×1,445mmであった。これはほぼ現在のEクラスのサイズと同じである。

 この新型Sクラスのサイズは、全長×全幅×全高=5210×1930×1505mmである。一回りあるいは二回りほど大きくなっている。

 「日本の道路事情を考えると、このサイズはないかな・・・」と正直感じた。そんなちょっとネガティブな第一印象を持ちながら試乗車に乗り込もうとした。

 試乗車に近づくと、メルセデス・ベンツとして初めて採用された、格納式のドアハンドルが自動でせり出してきた。

 これは他のいくつかのメーカーでも採用されているものであるが、私は実際に体験するのが初めてである。「おっ・・・これか・・・気持ち良いな・・・」と単純に感じた。

 「このドア良いですね・・・」私は少し笑顔になった。キーを持って近づくだけでドアノブがすっとせり出してくると、なんだか車から歓迎されているような気になるものである。

 そのドアノブを右手で掴んでドアを開けた。そしてドライバーズシートに乗り込んだ。ドアを閉める際にはその感触にも注意したが、それは「これぞSクラス・・・」と思える重厚で高級感に溢れるものであった。

 新型Sクラスののインテリアは、事前にインターネットの画像を見ていたが、やはり一気に世代交代がなされていて、その質感の豪華さにはやはり驚かされた。

2021/4/16

5524:試乗車  

 新型コロナウィルスの感染者数の増加に伴い東京都でも23区と幾つかの市が「まん延防止等重点措置」の適用対象地域に指定された。

 事務所のある国分寺市は対象地域とはならなかったが、そのすぐ南に位置する府中市は対象地域となった。

 今日はその府中市に向かって車を走らせた。国分寺市から国分寺街道をまっすぐ南に向かって下っていき、甲州街道に達した。

 交差点を左折して、甲州街道を東に向かって少し走ると道の左側に「メルセデス・ベンツ府中」の建物が見えてきた。

 その駐車場に入っていき、BMW 523i TOURINGをバックで白線の内側に停めた。ショールームに入って、受付の女性に用件を伝えた。

 「試乗の予約をしていた〇〇です・・・」受付の女性は営業スマイルで迎えてくれた。「こちらで少しお待ちください・・・」案内されたテーブル席でしばし待った。待っている間、先ほどの女性が出してくれた珈琲を飲んだ。

 テーブルの周囲には何台かの展示車があった。テーブル席の間隔をいつもよりも大きくとっているため、展示車の台数は少なく制限しているようであった。

 私が座ったテーブル席のすぐ近くには、最近マイナーチェンジされたEクラスのクーペが展示されていた。

 「こういったクーペスタイルのモデルに対する需要はピーク時と比べると相当減っただろうな・・・」そんなことを思いながらその流麗なスタイルを眺めていた。

 クーペはドアが2枚しかない。後席のスペースも狭いものが多い。なので1名乗車または2名乗車が前提となる。

 「子供たちが独立して日常的な乗車人数が減った中高年の男性が購入するのであろうか・・・私もそういう年代になったからな・・・でもクーペに対する強い憧れは、もう少し上の年代には多いけど、私の年代になるとぐっと下がるかも・・・」

 「お待たせしました・・・試乗車の用意ができました・・・」と男性の営業マンが近づいてきて、声をかけてきた。

 珈琲を飲みながらさっと記入したアンケート用紙をその営業マンに渡した。営業マンの案内に従って、駐車所に向かった。

 そこには昨年フルモデルチェンジされたSクラスの試乗車が停まっていた。色は黒である。試乗車であるS400dに搭載されているエンジンは3.0Lのクリーンディーゼルエンジンである。

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2021/4/15

5523:KOM  

 顔振峠での恒例の記念撮影を終えてから、東吾野方面へ向けて下り始めた。少し下ったところで鋭角方向に左折した。まっすぐに進んでしまうと国道299号方面に向かうことになる。

 そして、急な下りを走った。山間の道を下っていくと、やがて道は集落の中を走る。葉桜になった桜の木や、古い寺の本堂の屋根などが里山ののどかな雰囲気を演出していた。

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 西武線の「東吾野駅」まで行って、その駅舎の前で小休止した。ここには公衆トイレがあり、トイレを済ませたのち、駅舎の前の自販機で冷たい飲み物を購入して木製のベンチに座って飲んだ。

 あたりは春の穏やかさに溢れていた。コロナ禍の状況はまだまだ沈静化とはほど遠い状況で、大阪などはかなり深刻な状況になっている。東京都も感染者数が増え始め、23区以外でも幾つかの市がまん延防止等重点措置の対象地域となった。

 このベンチに座って、時折駅に到着する短い電車を眺めていると、そういった現実の状況を一時忘れていられた。

 小休止を切り上げて帰路に着いた。帰路には三つの「もがきポイント」が待機している。まずは「東峠」である。

 「東峠」は2qほどの短いヒルクライムコースである。斜度は普通。顔振峠の後であれば斜度は緩く感じられるであろう。

 ここもイーブンペースで走った。負荷は距離が短いので少し上げて240ワット程。顔振峠の後であったが、どうにか予定通りの出力で走りきれた。

 東峠の頂上には新しい峠の道標ができていた。以前よりも立派なものになっていた。とてもマイナーな峠であるが、走りやすく良いトレーニングになった。

 一旦下り切って県道を走った。そして次なる短いKOMである「山王峠」に向かって左折した。道はやがて上がっていき、本格的な上りになった。

 斜度が上がってパワーも一気に上がった。300ワットを超えた。しかし、そのパワーをずっと維持することはできない。じりじりと下がってくる。270ワットぐらいで持ちこたえて、後半に入った。ゴール地点が見えてきたところでもうひと踏ん張り、短い時間、高めの負荷をどうにか耐えた。

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 残りは一つになった。「笹仁田峠」である。ここも短いが、短いがゆえに負荷が高い。緩やかな上りになって、負荷を上げた。

 ここも負荷を上げた最初は300ワット程で走行したが、それは長続きしなかった。じりじりとパワーは下がり260ワット前後で駆けあがっていった。
 
 そして最後、斜度が少し上がるゴール前でダンシングに切り替えて最後のもがきポイントをやり過ごした。

 短いKOMを立て続けに三つこなして、その先のファミリーマートで昼食休憩をした。昼食に選んだのは「和パスタ 焼きとうもろこしとツナ」である。

 だしつゆや醤油で炒めたパスタの上に、醤油やみりんなどをからめて香ばしく焼き上げたとうもろこしやツナがトッピングしされている。実にほっこりする味わいであった。
 
 コンビニ休憩後、最後の工程をトレインは順調にこなした。東大和市のセブンイレブン前で隊列を離れて自宅へ向かった。

 今日は、激坂ヒルクライムの「顔振峠」と短い三つのKOMをこなして、体にはかなり高めの疲労が蓄積したはずであるが、春の爽やかな気候のおかげであろうが、それほどヘロヘロにはならなかった。

 きっと「もがき」を断続的に続けたせいで、脳内にアドレナリンが相当量放出されたせいであろう。「そのアドレナリンが切れるとどっと疲れが出るのかもしれない・・・」そんな危惧感を抱きながら自宅に到着した。

2021/4/14

5522:坂バカ  

 激坂エリアが結構な比率である「顔振峠」のヒルクライムをスタートした。距離は約4km。平均勾配は8.2%。私の脚力ではスタートしてから峠の頂上に達するまで20分ほどの時間が必要である。

 「今日もイーブンペースで走ろう・・・」と心に決めてスタートした。パワーのレンジは230〜240ワット。どうにかこのパワーレンジで20分間頑張りたい。

 スタートと同時にパワーを上げていき、このレンジに持っていった。斜度は比較的早い段階でぐっと上がる。

 ここはハイカーにも人気のエリアであり、さらにトレイルランをしている人も数名見かけた。私は呼吸音が結構大きいタイプなので、ハイカーの脇を通る過ぎる時は少し恥ずかしい。

 10%程度の厳しい斜度が続き、時折12%を超えるようなエリアも襲ってくる。少し緩んだかなと思ってギアを1段上げても、すぐさま厳しい斜度に見舞われて、ギアを元に戻す。

 一番軽いギアを多用しながら、必死に上っていく。木々に覆われたエリアを抜けると、少し開けて陽があたる道に入った。

 もう少し走り小さな集落が見えてくると短い下りが挟まる。それを心待ちしながら走った。呼吸は完全に余裕のないものに変わり、その排気音はマフラーを改造したヤンキー車並みであった。

 ようやく集落が見えてきた。待ちに待った短い下りである。砂漠の中のオアシスのような短い下りを勢いよく駆け抜けていって、再び上りの道を進んだ。

 再度の上りに苦心していると、先行スタートしたメンバーの背中が見えてきた。「追いつこう・・・」とパワーを少し上げた。

 ゴールの手前は斜度は一気に緩くなる。そのエリアに入ってスピードを上げた。前を行くメンバーに追いついて「お疲れ様・・・」と一緒にゴールである「平九郎茶屋」に到着した。

 「平九郎茶屋」の駐車場にロードバイクを立てかけて記念撮影をした。その遠景には青い色合いの山々の峰がリズミカルに広がっていた。ここからの景色は絶景である。特に今日のように晴天の日には格別である。
 
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 全員が上り終えたところで、恒例の記念撮影を済ませた。峠の道標の横にはサイクルラックが設置されている。そのサイクルラックが前回来た時よりも増設されていた。顔振峠は「坂バカ」から人気があるようである。

 「激坂四天王」の一角を占める「顔振峠」を走り終えてほっとした。しかし、いつものとおりの帰路のコースであれば、まだ峠を三つ越えていかないといけない。 



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