前回の記事に引き続き、ちょっと変わった妖怪を紹介していきます。今回は、『
大人を恐がらせる 大妖怪伝説』と同様に、本ブログで何度も参照させてもらっている、
佐藤有文氏著の『
お化けの図鑑 妖怪が飛び出す』からです。この図鑑の収録妖怪は、近世の妖怪関連書物や図集などにある、古典的な妖怪が殆どでありますが、その姿や解説が
佐藤有文氏独特と思われるものが多いのが特徴です。最初は「
川鬼」。"川"の文字が頭に付く妖怪は、
2008/7/20の記事・
2010/4/28の記事・
2011/10/2の記事・
2019/10/16の記事などで紹介している「
川姫」・「
川猿」・「
川男」・「
川熊」・「
川天狗」・「
川者」など、多種多彩なのですが、「
川鬼」は、他に類を見ない妖怪であります。図では、「
川鬼」が水中で人の腕を食っておりますので、川辺にいる人を、引きずり込むのかもしれません。
川底にいても、さすが鬼は鬼、恐ろしい妖怪です。
次も水生の"有害妖怪"「
みずち」。
南條武著「
完全図解シリーズ 妖怪ミステリー」には同じ読みの妖怪「
水虬」(
2015/6/14の記事参照)があり、姿は似ておりませんが、口から毒を吹き出すとされている特徴は同じとなっております。
胴体はワニそっくりでもないし、角も生えてない。他の何かと間違ったんじゃないの?
3つめは「
夜泣き石」。各地に様々な伝承がある事でも有名な"泣き声をだす石"という性質をもつ妖怪ですが、この図鑑の解説では、いわゆる勧善懲悪の性質が追記されております。
ひょっとすると、触手がうねうねと出てくる"孕ませ系"のエロ妖怪かもしれない。
あとの3妖怪は比較的メジャーな妖怪で、本ブログでも過去に取り上げております。但しその姿や解説文が、この図鑑では非常にユニークになっております。先ずは「
ぬり仏」。この妖怪の特徴である、両目玉が飛び出して垂れ下がった姿ではありますが、そうなった理由が情けない内容となっております。
「ぬり仏 壁に隠れて ぬり壁に」
次は「
目の手」。一般的には「
手の目」と呼ぶ事が多い妖怪です。この図鑑における姿は、「
手の目」のよく知られる姿ではありますが、解説文がかなりヤバいです。
ノーコメントと致します。
最後は「
日より坊」です。山中にいるが、雨天時には姿を見せないというところも、てるてる坊主にして晴れを願う風習も、伝承とは相異はないのですが、その表情が助平ジジイになっております。
男の子がお願いしても無駄であるという伝承を、あらためて知る事ができました。

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