"Stay Home"な生活による束縛から、少々解放されてきた今日この頃ですが、
4/30の記事にある「
貧乏神」と同様、家に居たら、さっさと出て行って欲しい妖怪に「
ぬらりひょん」がおります。ここでいう「
ぬらりひょん」とは、ゲゲゲの鬼太郎のエピソードに登場する"日本妖怪の総大将"で、人間界の征服をもくろむとか、映画『
妖怪大戦争』で他の妖怪と仲間になって強敵を倒す というような「
ぬらりひょん」ではなく、昭和期以降の妖怪図鑑の解説に多い、"家の者が忙しくしている夕方時などにどこからともなく家に入り、茶や酒を飲んだり、夕飯を食べたり、まるで自分の家のように振る舞う"タイプの「
ぬらりひょん」です。水木しげる大先生の『
妖怪おもしろ大図解』をチェックしてみると、一応は"妖怪の総大将"としながらも、その普段の行動は、あくまで"人家の渡り歩き"としております。
妖怪の集会には小さすぎる別荘です。子分の「朱の盆」との打ち合わせ用でしょう。
"人家の渡り歩き"の事例の一つを紹介しましょう。下の画像は
聖 咲奇著の『
世界の妖怪全百科』からの図画と解説です。この「
ぬらりひょん」は勝手に家に入ってくるのではなく、大晦日に家人が招き入れるという、珍しいタイプです。
髪の毛がふさふさ。こいつは、偽物です。「儂、ぬらりひょん。」に騙されないように!
又、『
地獄先生ぬ〜べ〜』で登場した際は、家人からの許可を取らず、勝手に家に入り込み、のんびりと寿司と洋酒を飲むという、本来あるべき姿の「
ぬらりひょん」が描かれておりました。
別のタイプとして、勝手に家に入り込み、飲み食いするのは同じですが、妖怪として重要な性質(見えないが存在する)を持っている「
ぬらりひょん」は、
映画「ゲゲゲの女房」に登場します。
武良布枝さんの実家である、飯塚家のお茶の間で、誰にも気づかれず、家族と一緒に、夕食をとっておりました。
身体的特徴である後頭部が普通っぽいです。まだまだ成長中ってとこです。
これまで紹介した「
ぬらりひょん」は人に直接、危害を加えるような事はしないのですが、3Dアニメの世界に登場した『
支配妖怪ぬらりひょん』は鬼畜であります。とある新婚夫婦が宿泊している旅館で、温泉に入った後、部屋に戻ると、夕食の品々が乗った座卓の前に「
ぬらりひょん」が座っており、やがて夫の目の前で若妻は・・・
女体盛りにされた挙句、隠していた"あわび"を見つけられ、、、
「ぬらりひょん」の肥大化した後頭部を、思わず抱いてしまうのであった。

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