2/24の記事では、「
足洗邸」などの"足だけ"の妖怪について、記事にしました。今回は
2013/5/19の記事にも記載しておりますが"手だけ"の妖怪について幾つか紹介しましょう。先ず有名なのは「
小袖の手」、古典的妖怪の一つで、国文学者
尾崎久彌編集による『
怪奇草双紙画譜』には、江戸時代の浮世絵師である
歌川豊国作画による「
手のある袖」の図画を見る事ができます。
このように、女性の恨み辛みが妖怪となったケースも気味が悪いのですが、「
足洗邸」のように、巨大な手だけの出現したケースは身の危険を感じる怖さがあるでしょう。例として、水木しげる大先生の図画から中国の妖怪から二つ、江蘇省武進に現れた「
落水鬼」と四川省にある龍興寺に現れた「
巨大な手の妖怪」です。前者は女性がボートで揚げている豆が欲しくて、後者はお坊さんたちの会食に出た焼餅が欲しくて、手だけを出したという事です。
尚、"巨大な手"はあっけなく、切り落とされたもようです。
一方、日本における"巨大な手"の図画はというと、統合失調症に罹っている人に襲い来るような手があります。抗精神病剤「
セレネース」であります。
妄想や幻覚などが生み出した妖怪でありましょう。
"巨大な手"の妖怪に対し、小さいサイズの手の妖怪は、室町時代後期の制作である絵巻物『
化物草紙』第三段に見る事ができます。このケースも中国の"巨大な手"の妖怪と同様、食べ物を所望して、出てきます。女性が搗栗(カチグリ)を焼いていると、爐の縁から手が出現したという怪異譚です。
お判り頂けたであろうか・・・ 正体は杓子のお化けです。かわいいですね。
最後は『
超・怖い話ガム 復刻の書』から、「写真」と題された怪異。海から突き出た何百本もの手が女の子の背後に!
お判り頂けたであろうか・・・ 正体はロリコンお化けです。キモいですね。

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