前回の記事では"顔がない深海魚"を紹介しました。でもこれは所詮実在の生き物、妖怪ではありません。やはり、"顔がない"といえば"妖怪"、本ブログでも幾度か登場した御存知「
のっぺらぼう」です。「
のっぺらぼう」というと直感的に『
小泉八雲の「貉」』のように、"姿・格好は人間だが顔だけが無い妖怪"というイメージですが、佐藤有文著の「
妖怪大図鑑」では、"顔は無くて、首から下も無い。でも手足は付いている"というのが、本来の姿で、人を驚かす時だけ人間の姿になる旨の解説があります。
これなら本来の姿でも十分、驚きます。
このタイプの「
のっぺらぼう」に似た形態の妖怪に、大阪の和泉に出没する「
白坊主」がおります。異なるところは、足は無く、空中を浮揚する点です。かの水木しげる大先生も、コミカルなタッチでこの妖怪の図画を描かれております。
本当は顔が欲しい"乙女妖怪"なのかもしれません。
一方で水木しげる大先生は、この「
白坊主」の正体に関して、"
妖怪おもしろ大図解"で、"乙女妖怪"とは全く別の解説をされております。『表皮は狸の"きんたまの袋"で、内部に狸の"屁"を充満させることで空中に浮き、中で子狸が操縦している。・・・』というトンデモない説であります。
子狸の目がおかしい。これは虐待であります。
ところで、「
のっぺらぼう」の亜種に「
ずんべら坊」という妖怪がおりまして、これも水木しげる大先生が図画にされております。で、この図画が滅茶苦茶に怖いのです。水木大先生の妖怪図画の内、最も不気味な妖怪の一つに挙げられるでしょう。
まるで、ホラーゲームに出てくるモンスターです。(但し、ハンドガン一発で倒せるタイプ)
「
ずんべら坊」タイプのゲームキャラクターで想起されるのは、『
サイレントヒル2』の「
バブルヘッドナース」。こいつは、ハンドガン一発では、息の根を止められません。
出現したらコントローラーを持つ手がパニクる敵キャラであります。
でも、この手のゲームは、だんだん慣れてきて「所詮CGじゃん、データじゃん。」冷静に考えれば、落ち着いて対応できるのですが、実写となると、また一味違います。
5/20の記事で参照した映画「
サイレントヒル:リベレーション3D」にはゲームと同じような"ずんべらナース"達が、うじゃうじゃ登場してくるシーンがありまして、これは落ち着く暇は全くありません。
こんな時は、頭部ではなく、胸の谷間を見て気を紛らわせましょう。

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