前回の記事では巨大な頭部のみの姿の"落ち系妖怪"を紹介しました。別に目の前に急に落ちてこなくても、巨大な顔が見える範囲にあれば、それはそれで、驚きであります。そんな妖怪の代表は、名は体を表す「
大首」でしょう。次の二つの画像は、上が水木しげる大先生による図画、下が映画「
妖怪百物語」で再現されたシーンからです。
江戸の町民達が割と冷静に見上げているのは、やはり怪談の本場だけはあります。
ちなみに水木先生はゲゲゲの鬼太郎コミックでは、「
大首」は上の二つとは別の姿で登場します。ここでの「
大首」は元々縄文時代の人間で、霊を摂り込む事で不死の生活をし続け、手足が退化、殆ど頭だけになった…。と目玉親父は解説しておりました。尚、
富士山の体内洞窟に潜んでいた為か、図画を見る限りでは、目も退化しているようです。
ストーリーでは、この「大首」は霊を食べる"霊食キノコ"に食べられて死んでしまいます。
近年では2005年の映画「
妖怪大戦争」に登場した「
大首」が印象に残っております。
石橋蓮司さんが扮しておりました。
「大首」は女性の妖怪。こわもての石橋蓮司さんが女装メイク…。そりゃ恐いよ。
「
大首」と名が付かなくとも、でかいツラの妖怪の図画は古くから幾つか残されております。例えば"
異魔話武可誌"には「
血おんな」という不気味な妖怪・・・。
この図画は何かヤバイ感じ。異様な邪気を感じます。
続いて"
化物づくし(湯本豪一所蔵・湯本B本)"と、"
稲生物怪録絵巻"の六日目の夜に現れた「巨大な顔の妖怪」。
"稲生物怪録絵巻"では、「大首」の眉間に小刀を打ち込んだみたい。勇敢過ぎぃ!
でかいツラの妖怪は人の顔をしているものだけではありません。怪奇絵の巨匠の一人、
河鍋暁斎による"
惺々狂斎画帖"には巨大な猫に驚く農民が描かれております。
かわいいけど、猫パンチくらったら一発KOですわ。

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