"火"に関する妖怪の記事が続きましたので、今回は"水"の妖怪を言及致しましょう。前回の記事と同様に、。"
妖鬼化"の収録妖怪とWikipediaの"
日本の妖怪一覧"の中で、その名に「水」という文字が入った妖怪を拾ってみると、"火"の妖怪に比べ、その数が圧倒的に少ない事がわかります。
水虎・
水釈様・
水精の翁・
遣ろか水・
水神様・
水の神 の僅か6種です。やはり"水"は"火"に比べ、より神聖であり、又図画として表すのも"火"よりも難しいので、妖怪として記録される数が少なくなるのでしょう。でも、"水"の妖怪の中には前述の6種にはないものの、妖怪界において誇れるべき伝承を持つものがおります。
南條武著「
完全図解シリーズ 妖怪ミステリー」掲載の「
水虬(
みずち)」であります。この「
水虬」は
仁徳天皇の時代に現れた"
川の精霊"なのですが、解説文の最後を要約すると「
最も妖怪らしい姿の妖怪」の先駆けであるという事になっております。
"出現しはじめたのであるぞ!!"の表現がその真実味を否が応にも、盛り上げております。
次は"ゲゲゲの鬼太郎"の初期のエピソード"
鬼太郎夜話"に登場した「
水神」。この「
水神」は「
水虬」の登場より遥か太古の神話時代の神の一つではあるものの、昭和期以降、日本に初めて甚大な被害を及ぼした妖怪であるとも云えるかもしれません。この妖怪の正体は"
鬼太郎夜話"の作中に詳しく解説されております。
文中の"
きみ"とは鬼太郎の事です。そして、"ゆり起こす"理由は借金の取立て。金貸しの"森脇真茶光"が大正9年に「
水神」に貸した1000円(返済額は利子を含めて1000万円!)を回収するため、森脇の借金取立て係りに採用された鬼太郎が「
水神」のところにオラつきに行ったのが悲劇の始まりです。
水神が借金した理由は? どうやって使った? こればかりは、全く想像つきません。
鬼太郎は「
水神」に"しびれ薬"を投与し、火が着いたマッチを投げ込み、最後はゼリーにするためビニール袋に詰める という暴挙を行ないますが、油断している間に「
水神」は水蒸気となって、逃げ出します。その結果、東京が大変な事に!
水神本体の最期は凍結されコンクリート詰め。借金を踏み倒してはいけません。
"水"の文字は付きませんが、水を操る妖力を持つメジャー妖怪なら、ゲゲゲの鬼太郎第5シリーズアニメの「
かわうそ」。妖怪横丁の住民で、鬼太郎ファミリーの準構成員の一人として登場頻度はけっこう高かったです。
"アマビエに、こきつかわれる。"・・・かわうそ、哀し過ぎます。
ところで、「
鬼太郎なんでも入門」で「
かわうそ」を調べてみますと、酒が大好きで、肝臓も肥大している模様です。又、舌が短く話すのも苦手とありますが…
"あ"と"お"を間違える位、泥酔して意味不明な事を叫ぶ人間に比べりゃ、かわいいものです。

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