自民党の政権公約なるものを見た。
せっかく政権復帰か、とも予想されているのに、ふざけたことばかり書いている。これではまるで、もっと無能な民主党、みたいにしか見えない。
経済再生、が何と金融立国みたいなお話だ。リーマン以前の英国が採用していた金融資本主義が日本を再生する、というシナリオを出すには、十年遅過ぎる。今や、金融の方が、製造業やサービス業よりもずっと危ない、ということは、はっきりと見えている。金融という産業の発展によって日本は豊かになる、という発想の誤りを指摘し、反論を書きなさい、という問題を出せば、普通の大学生だって、きちんとした答案が書ける。自滅的な政策である。
憲法改正案というのが、さらにまたバカみたいである。
「天皇は元首」と明記する、らしい。じゃあ、天皇にどんな権限を与えるのか?外国の外交官にアグレマンを与える権限だろうか?それはもうある。法律を公布することか?それも国事行為だからやっている。衆議院を解散することだって、その権限だし、一体わざわざ元首と明記した天皇に何をして欲しいのだろう。三権に分立した国家権力の長として、それぞれの機関に命令を発する、のだろうか。それなら、はっきりそう書くべきだが、主権在民を廃して、君主制とするメリットは何だろう。もしも、その方が「かっこいい」から、というのがその理由なのだったら、そんな改正案に対して、国民の過半数も、あるいは四分の一の賛成も得られないだろう。
「国防軍の創設」もそうだ。国防軍には、自衛隊以上のいかなる権限を与えるのか?外国を侵略する権限か。国民のうちの誰がそんな権限を求めているのだろう。少なくとも、私はそれを求めないし、それを明記するだけで、国益に反する行為だと思う。
もう取り返しがつかないから、安倍総裁がこんな憲法草案を出した、というニュースが東アジアに出回ることだろう。そのうちの一体誰が、安倍氏に日本の政権を担当してもらいたい、と思うのだろう。
天皇を元首に、国防軍を創設、お前はネトウヨか?としか思えない。もし自民党が、日本のネトウヨ有権者を取り込むことで、選挙に勝てる、と踏んでいるとしたら、自分には脅威だ。日頃、私のようにネトウヨをバカにしている者は、国会で成立するかも知れないネトウヨ保護法に違反する、として逮捕され、思想を改造するか死ぬか、どっちだ、と責められるかも知れない。ネトウヨに心を売り渡すくらいならいっそ死んだ方が、とも思うが、それでは本ブログを楽しみにしている全世界数十人のファンの皆様に申し訳ないし、悩ましいところだ。
いずれにせよ、この自滅的な自民党政権公約、総選挙に対してどんな効果をもたらすのか、興味深いところである。

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