「形なき形を見、声なき声を聴く」
「形がないというのも形であり、声がないという声もある」ということでは決してない。
形を形成する始原である形が生じる可能性もしくは場
声として発せられる資源である声が生じる可能性もしくは時
そういったものを感じている、とった意味である。
老子の言葉であり、「道」を指している。
これは「空」でもよいし、「無」でもよい。
感受できる対象が「存在」であり、それ以外は「非存在」である。
人知れず死んだ亡骸の主は生きている。
「存在」と「その存在を感受する存在」の両者がいなければそれは存在していることにはならない。
どんなに否定しようが、世界はこの理論で成り立っている。
しかし、感受できない存在があって、世界は成り立っており、これを認識できることを「形なき形を見、声なき声を聴く」という。

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