去る2月27日、スペイン・バルセロナ郊外にて行なわれた「ロバート・フリップ&ジ・オーケストラ・オブ・クラフティ・ギタリスツ(以下OCG)」の公演にスペシャル・ゲスト=サポート・アクトとして、またOCGのメンバーとして参加した。
その公演は、約50人のギタリスト達が集団即興演奏を行なうというものだったのだが、現地入りするまでどういうことになるのか(というか、現地入りしても当日を迎えるまで)全く予測がつかなかった。
本番に備えた準備として、約10日間のコースが企画された(コースでの成果を発表するのが本番というべきか)。さて、自分は都合により同コースに3日遅れで参加したのだが、その時点ですら本番はどういうことになるのか皆目見当がつかなかった。
コース期間中は一日に数度リハーサルを行い、その都度ロバートが「お題」を出す。大抵最初は「用意ができたら始めてください。(When ready, please begin.)」だった。しかし、参加者の数名はついつい弾きすぎることが多く、収拾がつかなくなることが多かった。50人も奏者がいるので、いかに間を取るかが重要なのだ。
そして、それに続くお題は例えば「黄色」、「喜び」、「青」、「あなたの隣に起こしてもらうことを必要とする人がいます。」など様々である。時には「ハリウッド映画にて、3分57秒の追跡シーンの音楽を担当することになりました。」といったものもあった。
今回のメンバーは、米国、スペイン、イタリア、ポーランド、ドイツ、オランダ、オーストリア、デンマーク、英国、日本、アルゼンチン、ブラジル、メキシコなど、様々な国々からやってきたギタリストたちであり、一つのお題の解釈も全く異なる場合も少なくない。なかなか噛み合わないまま、時間が過ぎてゆく。1回限りのコンサートは当然完売。ロバートの名前で集まるはずの聴衆を失望させることになるのではないだろうか?こんなことで本番は大丈夫なのだろうか?
つづく

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